日本一早いマルシェ? 佐世保「NEO朝市」好評 午前4時からにぎわう港 昭和の面影つなぐ

早朝から多くの人でにぎわった「NEO朝市」=佐世保市万津町

 佐世保港の玄関口、長崎県佐世保市万津町で新旧を融合させた新たなイベントが不定期で開かれている。その名も「NEO朝市」。3回目は、市民の台所として長年親しまれる朝市にゲスト出店者たちが集うマルシェイベントとして開かれた。主催者は、古き良き昭和の面影を残していこうと新しい“風”を入れながら試行錯誤している。
 イベントを企画したのは、万津町の飲食店などが集まる「万津6区」と佐世保朝市でつくる「未来の佐世保朝市を考える会」。朝市の辻山弘昇運営委員長(67)によると、空きスペースがないほど鮮魚や水産加工品、野菜、果物の店が並んだのが昭和から平成にかけての時代。朝市の組合員数は300人ほどに上った。だが時代とともにスーパーやコンビニエンスストアの拡大に加え、組合員の高齢化、後継者不足の影響が大きくなり、組合員数40~50人まで減ったという。
 長く続く営みを、このままなくしていいのか-。佐世保らしさがなくなることに危機感を持ったのが「万津6区」。出店者を募り、交流サイト(SNS)を活用して朝市の客層とは異なる若者の関心を掘り起こした。「朝市の知名度」(辻山運営委員長)と、「万津6区」の情報発信力といった互いの強みを生かし、昨年1月、11月と回数を重ねている。
 20日に開かれた3回目のテーマは「(ほぼほぼ)海と島」。市内だけでなく韓国や兵庫県の淡路島、五島列島から飲食や物販の14店がブースを設け「おそらく日本一早いマルシェイベント」と銘打ち開催。午前4時からの開始にもかかわらず、老若男女でにぎわい、生鮮食品を買ったり、うどんやクエのアラ汁を食べたりと思い思いに楽しんでいた。約50年、朝市で商売する本村薫さん(73)は「朝市の売りは対面販売。若い人たちに朝市の良さを知ってもらうきっかけになればうれしい」と話した。
 NEO朝市は2、3月も開催予定。新年度以降は「いろいろなチャレンジ」をしながら年に数回の開催を計画している。

朝市の会場に飲食などのブースが並んだ「NEO朝市」

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