強力ライトで被災地を支援 能登地震、和歌山・田辺の橘さんトイレ設置作業照らす

トイレ設置の工事現場を照らすアークライト(石川県珠洲市の避難所で)

 防災用の照明装置を手がけるアークコーポレーション(和歌山県田辺市上の山)の橘登代表(77)と弟の優治さん(66)がボランティアとして能登半島地震の被災地に入り、避難所に簡易トイレを設置する作業に加わった。

 金沢大学名誉教授・廣瀬幸雄さんの呼びかけで災害支援チームに参加した。チームは石川県の要請を受けて10日から活動を開始。珠洲市と七尾市の避難所3カ所に最新の無臭水洗トイレ6台を無償で設置した。

 橘さんは災害発生後、10キロワットの強い光を出すサーチライト「アークライト」と自家発電機を積んだ車両を準備。9日朝に田辺市を出発し、金沢市でチームに合流した。

 簡易トイレの設置は夜間に行われたため、作業現場をアークライトで照らした。

 金沢市から珠洲市へは通常、車で片道4時間ほどだが、道路状況が悪く10時間かかった。橘さんは「家屋の倒壊が多く、とても言葉では言い表せないほど悲惨な状況だった。被災地でトイレは必需品なので、いち早く支援に動いた。和歌山県でも災害への準備が必要」と話した。

 橘さんは東日本大震災、熊本地震でも被災地に駆け付け、アークライトで支援した。

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