「火の鳥」初めて絵本に 作品発表70周年、金の星社

手塚治虫

 漫画家の手塚治虫(1928~89年)による代表作「火の鳥」が今春、初めて絵本として刊行されることが30日、分かった。今年は作品の発表から70年の節目で、手塚プロダクションが絵本作家の鈴木まもるさん(71)に制作を依頼した。鈴木さんは「作品に込められた生命や平和の大切さを、改めて幅広い世代に伝えたい」と話している。

 漫画「火の鳥」は、54年に雑誌「漫画少年」で初めて発表された。古代から未来にかけての壮大な時間軸で、永遠に生きる火の鳥と人間の業を描いた物語。絵本は「火の鳥 いのちの物語」として4月下旬、金の星社から刊行される予定。

 鈴木さんは鳥の巣研究家でもあり、「ぼくの鳥の巣絵日記」など多数の著作がある。

 鈴木さんは一昨年、鳥の巣の魅力や、生命をテーマにした絵本を作っているという話をラジオ番組で語った。昨年になってそれを聞いた手塚プロの担当者が鈴木さんに連絡し、今回の制作が決まった。

 絵本では、巣の周りに集まったさまざまな動物たちが、火の鳥が語る生命の話に耳を傾ける構成になるという。

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