羽生結弦の「要素ゼロ」 フィギュアスケート誌「一部内容変更」で予約のファン混乱...出版社謝罪「情報行き届かず」

山と溪谷社(東京都千代田区)が2024年1月26日、発売を目前に控えるフィギュアスケート専門誌について、一部内容が変更になったとし、「事前にご予約をいただいた皆様には情報が行き届かずご迷惑をおかけいたしました。申し訳ございませんでした」と公式サイトで謝罪した。

発表前にSNS上では、予約開始時にはプロフィギュアスケーター・羽生結弦さんを特集する情報が出ていたにもかかわらず、後に内容が変わって羽生さんの情報がなくなったとして波紋を呼んでいた。一体何が起こったのか、同社に取材した。

「もはや別物ですよね...」

問題となったのは、予約受付中のムック本「フィギュアスケート男子ファンブック Quadruple Axel 2024 至高の銀盤」だ。24年1月24日ごろからX(旧ツイッター)で、書籍の表紙や内容が予約開始当初から変更されているとして、「羽生くん要素0になってる」「表紙も中身も違っていたら、もはや別物ですよね...」「楽しみにしていた物が別の物に変わって届くなんて許せません!酷すぎます!!」と騒ぎが広がった。

Quadruple Axel編集部のXは25日に、山と溪谷社公式サイトは26日に、「一部内容が当初の予定から変更となりました」として冒頭のようにお詫びを掲出している。

公式サイトで29日、書籍を確認すると、宇野昌磨選手を表紙とする書影が公開されている。特別付録は「宇野昌磨綴じ込みポスター」で、内容は宇野選手や鍵山優真選手の密着レポート、友野一希選手と山本草太選手、ほか複数対談などが盛り込まれている。羽生さんの名前はない。

一方、書籍は当初、一部予約販売サイトで「羽生結弦プロ転向1周年フォトギャラリーアイスショー」などと宣伝されていた。複数のXユーザーの投稿で、表紙内容が羽生さんだったとの情報も出ている。書籍情報に言及する投稿は、少なくとも23年11月下旬にあった。

予約開始にあたり、このような書籍情報を発信した事実はあるか尋ねたところ、山と溪谷社のリスクマネジメント担当は26日、下記のとおりJ-CASTニュースの取材に答えた。

「当該ムック発売にあたり、取次様へ、タイトル・特集内容・表紙内容の提供を行いました。2023年11月22日に、取次様に対して2023年12月18日の発売中止及び延期の手続きを完了しております。その後、1月中旬に新たな刊行情報を登録しました」

各書店の予約開始日を同社で把握するのは「困難」だというものの、「書影は未発表でした」。発売予定日は「弊社と取次様の間では、2023年12月18日、その後、2024年2月6日に発売延期したという認識です」という。

内容変更は「企画・進行上の理由」で

書籍が発売延期され、一部内容が変更になった理由・経緯、内容変更が決定した時期を尋ねると、「企画・進行上の理由であり、回答を差し控えさせていただきます」との回答にとどまった。

Xでは、同社の謝罪を受けても、「変更になった時点でお知らせするべきではないでしょうか」「不信感しかありません」といった不満が噴出していた。内容変更についてのお詫び掲出が、前出のタイミングになった理由・経緯について、同社は、

「1月24日に変更後の特集内容の情報公開をAmazon様で行ったところ、Xなどでの投稿・拡散や弊社への問合せにより変更前の情報で予約された方がいらっしゃることを認識したため、今回の対応となりました」

と説明。Xの反響への受け止めは、

「お客様にはお手数をお掛けし申し訳ございませんが、ご予約、ご購入いただいた書店様でのキャンセル、返品をお願いしております。それらができなかった場合も、お問い合わせいただければ対応させていただきます旨、弊社ホームページにてお知らせしております」

と述べる。実際、公式サイトでは26日に追記として、内容変更に伴いキャンセルや返品を希望する場合に関して、「ご予約、ご購入いただいた書店様でのキャンセル、返品が必要となりますので、大変お手数をお掛けし申し訳ございませんが、ご対応をお願いいたします」とも伝えられた。購入したサイトでキャンセル、返品が出来なかった場合には、同社の問い合わせ窓口まで連絡するよう呼びかけている。

同社は取材に、「商品の内容変更の際は、お客様をはじめ、関係各署に情報が正しく行き届くよう努めて参ります」とも伝えた。

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