20代、「貯蓄額の平均56万円」 前回調査から8万円減少

SMBCコンシューマーファイナンスは、2023年12月13~15日の3日間、20~29歳の男女を対象に「20代の金銭感覚についての意識調査2024」をインターネットリサーチで実施し、1000人の有効サンプルの集計結果を公開した(調査協力会社:ネットエイジア)。

20代の金銭感覚についての意識調査2024

貯金してる人は月額平均3万7152円

毎月自由に使えるお金はいくらあるか聞いたところ、「1万円以下」(28.0%)や「2万円超~3万円以下」(15.9%)、「4万円超~5万円以下」(17.2%)に多くの回答が集まり、平均は3万7096円だった。前回の調査結果と比較すると、毎月自由に使えるお金の平均は268円の増加(前回調査 3万6828円→今回調査 3万7096円)となった。

婚姻状況別にみると、未婚男性では2338円の減少(前回調査 3万8238円→今回調査 3万5900円)、未婚女性では208円の減少(前回調査 4万1508円→今回調査 4万1300円)となったのに対し、既婚男性では5316円の増加(前回調査 2万5225円→今回調査 3万541円)、既婚女性では3696円の増加(前回調査 2万7189円→今回調査 3万885円)と、未婚者と既婚者で対照的な結果となった。

現時点で、どのくらいの貯蓄ができているか聞いたところ、「50万円以下」(45.7%)に最も多くの回答が集まったほか、「50万円超~100万円以下」(13.0%)にも回答がみられ、調整平均は56万円だった。また、「0円」は18.7%であった。

前回の調査結果と比較すると、現在貯蓄できているお金の調整平均は8万円の減少(前回調査 64万円→今回調査 56万円)となった。婚姻状況別にみると、未婚者では7万円の減少(前回調査 56万円→今回調査 49万円)、既婚者では8万円の減少(前回調査 102万円→今回調査 94万円)であった。職業別にみると、会社員では6万円の減少(前回調査 112万円→今回調査 106万円)、パート・アルバイトでは10万円の減少(前回調査 34万円→今回調査 24万円)となったのに対し、学生では1万円の増加(前回調査 21万円→今回調査 22万円)となった。

現在の自分の貯蓄状況について、不安を感じているか聞いたところ、「感じている」は72.9%、「感じていない」は27.1%となった。止まらない物価上昇を受け、自身の貯蓄状況に対し不安を抱いている人が多いと思われる。男女・年代別にみると、不安を感じている人の割合は、20代後半女性(80.8%)が最も高くなり、8割を超えた。

老後資金についてみると、<老後の生活資金は年金だけで十分だと思う>では「そう思う」が9.3%、「そう思わない」が90.7%となった。老後の生活についてみると、<老後が不安>では「そう思う」が 73.5%、<老後が楽しみ>では「そう思う」が19.6%であった。

前回の調査結果と比較すると、<老後が楽しみ>では「そう思う」と回答した人の割合は、前回調査 22.6%→今回調査 19.6%と3.0ポイントの下降となった。老後資金に対する不安の高まりなどを背景に、老後の生活に期待感を持てなくなっている人が増えていると推察される。

続いて、仕事をリタイアする年齢までに貯蓄がいくらあれば安心できるか聞いたところ、「500万円以下」(20.9%)や「500万円超~1千万円以下」(18.8%)、「1千万円超~2千万円以下」(15.4%)に回答が集まり、調整平均は2195万円だった。

前回の調査結果と比較すると、リタイア時にあれば安心できる貯蓄額の調整平均は153万円の減少(前回調査 2348万円→今回調査 2195万円)となった。

預貯金の状況、貯蓄型保険の加入状況を聞いたところ、<預貯金>では、「している」が59.9%、「していないが、したいと思う」が31.0%、<貯蓄型保険(積立型保険)の加入>では「している」が14.6%、「していないが、したいと思う」が31.8%となった。

前回の調査結果と比較すると、預貯金をしている人の割合は4.0ポイントの下降(前回調査 63.9%→今回調査59.9%)、貯蓄型保険にお金を払っている人の割合は1.3ポイントの下降(前回調査 15.9%→今回調査 14.6%)となった。

預貯金をしている人(599人)に、ひと月あたり、いくらくらい預貯金しているか聞いたところ、平均は3万7152円だった。また、貯蓄型保険に加入している人(146人)に、ひと月あたり、いくらくらい貯蓄型保険にお金を払っているか聞いたところ、平均は1万3814円だった。

前回の調査結果と比較すると、預貯金している金額の平均は783円の増加(前回調査 3万6369円→今回調査 3万7152円)となったのに対し、貯蓄型保険に払っている金額の平均は2663円の減少(前回調査 1万6477円→今回調査 1万3814円)となった。

自分が自由に使えるお金(お小遣い)を、1か月間でいくらくらい使ったときにお金を使いすぎたと感じるか聞いたところ、「0円(使いすぎたと感じる金額はない)」(18.4%)や「1万円以下」(20.7%)、「4万円超~5万円以下」(14.3%)、「5万円超~10万円以下」(14.1%)などに回答が分かれ、平均は3万9665円だった。

前回の調査結果と比較すると、使いすぎたと感じる金額の平均は3592円の減少(前回調査 4万3257円→今回調査 3万9665円)となった。婚姻状況別にみると、未婚男性では4010円の減少(前回調査 4万3423円→今回調査 3万9413円)、未婚女性では6411円の減少(前回調査 5万992円→今回調査 4万4581円)、既婚男性では2850円の減少(前回調査 3万1375円→今回調査 2万8525円)となったのに対し、既婚女性では163円の増加(前回調査 2万9657円→今回調査 2万9820円)であった。

生活費以外(趣味や遊びなど)に、ひと月あたり、いくらくらいお金を使っているか聞いたところ、「1万円以下」(32.1%)に最も多くの回答が集まったほか、「1万円超~2万円以下」(14.7%)や「2万円超~3万円以下」(12.5%)にも回答がみられ、平均は1万9027円だった。また、「0円」は26.8%となった。男女別にみると、生活費以外に使っている金額の平均は、女性では2万744円と、男性(1万7310円)と比べて3434円高くなった。

今年、お金を使ったもの・ことの中から、一度の支払い額が最も高額だったものを聞いたところ、1位「旅行・レジャー」(75人)、2位「車」(60人)、3位「服」(57人)、4位「家電」(44人)、5位「エステ・美容(脱毛含む)」(39人)となった。支払い額の平均をみると、「旅行・レジャー」は17万159円、「車」は 211万833円、「服」は4万9211円、「家電」は16万1682円、「エステ・美容(脱毛含む)」は17万9256円だった。

節約のために行っていることを聞いたところ、「貯めたポイントを利用する」(56.0%)が最も高くなり、「クーポンを利用する」(43.0%)、「外食を控える」「マイボトルを持ち歩く」(いずれも29.6%)、「徒歩や自転車で移動する」(29.0%)が続いた。男女別にみると、男性では「徒歩や自転車で移動する」(31.4%)、女性では「100円ショップを利用する」(36.0%)が3位だった。

前回の調査結果と比較すると、「外食を控える」は前回調査 6位→今回調査 3位と順位を上げTOP3にランクインした。止まらない物価上昇による家計への圧迫を受け、外食の頻度を減らそうと意識する人がいるのではないか。

お金を使ってゲームをすることについて聞いたところ、<お金を使ってでも(課金してでも)ゲームを有利に進めたい>では「そう思う」は12.3%、<お金を使わないと楽しく遊べない>では「そう思う」は18.1%となった。アイテムやキャラクターの入手について聞いたところ、<ほしいアイテム・キャラを手に入れるためのお金は惜しみたくない>では「そう思う」は15.8%、<レアアイテムやレアキャラを手に入れたときは誇らしい気持ちになる>では「そう思う」は34.3%であった。

前回の調査結果と比較すると、<レアアイテムやレアキャラを手に入れたときは誇らしい気持ちになる>で「そう思う」と回答した人の割合は、男性では7.0ポイントの下降(前回調査 44.6%→今回調査 37.6%)となった。

続いて、ゲーム課金(ゲームでのアイテムの購入やガチャ等の利用)の実態について質問した。<ゲームでのアイテムの購入やガチャ等の利用(ゲーム課金)>にお金をかけている人の割合は15.8%で、それらの人がひと月あたりにかけている金額の平均は5138円だった。

前回の調査結果と比較すると、かけている金額の平均は、全体では500円の減少(前回調査 5638円→今回調査 5138円)となり、男女別では男性が200円の増加(前回調査 5498円→今回調査 5698円)となった一方、女性が1783円の減少(前回調査 5843円→今回調査 4060円)と、女性がゲームにかける金額が大幅に減っている結果となった。

また、ゲーム課金での経験を聞いたところ、<ゲームでお金を使いすぎて(ゲーム課金しすぎて)生活に困ったことがある>では「ある」は11.4%、<ゲームでお金を使ったこと(ゲーム課金したこと)に後悔したことがある>では「ある」は22.5%だった。男女別にみると、男性では<ゲームでお金を使ったこと(ゲーム課金したこと)に後悔したことがある>で「ある」と回答した人の割合が28.2%と、女性(16.8%)と比べて11.4ポイント高くなった。

モノを持たない消費の一つであるサブスクリプションサービスについて質問した。まず、月額・定額制で使い放題のサービスにお金をかけているか聞いたところ、お金をかけている人の割合は42.9%で、ひと月あたりにかけている金額の全体平均は1768円だった。

前回の調査結果と比較すると、かけている金額の全体平均は215円の増加(前回調査 1553円→今回調査 1768円)となった。

月額・定額制で使い放題のサービスにお金をかけている人(429人)に、現在利用している月額・定額制で使い放題のサービスを聞いたところ、「動画配信」(60.6%)と「音楽配信」(51.7%)が突出して高くなり、「ゲーム」(9.6%)、「美容・コスメ」(5.6%)、「メガネ・コンタクトレンズ」(5.4%)が続いた。

前回の調査結果と比較すると、「音楽配信」は5.8ポイントの下降(前回調査 57.5%→今回調査51.7%)となった。

投資(株式投資、仮想通貨、実物投資、ポイント運用・ポイント投資など)をしているか聞いたところ、「している」は26.2%、「していないが、したいと思う」は38.0%で、合計した「前向き(計)」は64.2%であった。投資をしている人の割合は、男性では31.2%と、女性(21.2%)と比べて10.0ポイント高くなった。

投資をしている人(262人)に、ひと月あたり、いくらくらい投資(貯蓄型保険除く)にお金を回しているか聞いたところ、「1万円以下」(50.0%)に最も多くの回答が集まったほか、「1万円超~2万円以下」(11.5%)や「2万円超~3万円以下」(16.4%)にも回答がみられ、平均は2万3589円だった。

前回の調査結果と比較すると、ひと月あたりに投資に回している金額の平均は、2416 円の減少(前回調査 2万6005円→今回調査 2万3589円)となった。

また、投資をしているものを聞いたところ、「投資信託」(55.7%)が最も高くなり、「株式」(40.1%)、「仮想通貨」(14.9%)、「金(ゴールド)」(9.5%)、「FX」(7.6%)が続いた。

個人投資家のための税制優遇制度の一つである“NISA”について質問した。まず、2014年1月にスタートした“NISA”を知っているか聞いたところ、「詳しく知っている」が21.0%、「聞いたことがある程度」が53.4%で、合計した「知っている」は74.4%、「知らない」は25.6%となった。制度が始まって10年経つ“NISA”に関しては、大半の人が認知しているようだ。男女・年代別にみると、「知っている」と回答した人の割合は20代後半女性(84.8%)が最も高くなった。

また、2024年1月にスタートする“新しいNISA(新NISA)”を知っているか聞いたところ、「知っている」は65.6%、「知らない」は34.4%となった。男女・年代別にみると、「知っている」と回答した人の割合は20代後半女性(74.0%)が最も高くなった。

“新しいNISA(新NISA)”を利用する予定があるか聞いたところ、「利用する予定がある」は30.5%、「利用する予定はない」は32.5%、「わからない」は37.0%となった。新制度を上手に活用して、資産形成に取り組みたいと考えている人は少なくないようだ。男女・年代別にみると、「利用する予定がある」と回答した人の割合は20代後半男性(44.0%)が最も高くなった。

自己投資(スキルアップのための勉強や資格取得など)や自分磨き(美容やファッションなど外見磨き)への支出状況について聞きました。

自己投資(スキルアップのための勉強や資格取得など)にお金をかけているか聞いたところ、お金をかけている人の割合は26.5%で、それらの人がひと月あたりにかけている金額の平均は7821円だった。男女別にみると、ひと月あたりにかけている金額の平均は、全体では965円の増加(前回調査 6856円→今回調査 7821円)、男性では875円の増加(前回調査 6424円→今回調査 7299円)、女性では1132円の増加(前回調査 7402円→今回調査 8534円)となった。

また、自分磨き(美容やファッションなど外見磨き)にお金をかけているか聞いたところ、お金をかけている人の割合は60.0%で、それらの人がひと月あたりにかけている金額の平均は8672円だった。

前回の調査結果と比較すると、ひと月あたりにかけている金額の平均は、全体では490円の減少(前回調査 9162円→今回調査 8672円)、男性では666円の増加(前回調査 6334円→今回調査7000円)、女性では1179円の減少(前回調査 1万1138円→今回調査 9959円)となった。

社会のためになる商品・サービス(地球環境や人権などに配慮した商品・サービス)にお金をかけているか聞いたところ、お金をかけている人の割合は14.6%となった。男女別にみると、お金をかけている人の割合は、男性では18.2%と、女性(11.0%)と比べて7.2ポイント高くなった。

お金をかけている人(146人)に、ひと月あたり、いくらくらいお金をかけているか聞いたところ、「千円以下」(41.1%)に最も多くの回答が集まったほか、「3千円超~5千円以下」(22.6%)にも回答がみられ、平均は4863円だった。男女別にみると、ひと月あたりにかけている金額の平均は、男性では5744円と、女性(3405円)と比べて2339円高くなった。

前回の調査結果と比較すると、ひと月あたりにかけている金額の平均は、全体では859円の増加(前回調査 4004円→今回調査 4863円)、男性では2340円の増加(前回調査 3404円→今回調査 5744円)、女性では1358円の減少(前回調査 4763円→今回調査 3405円)となった。

マネー意識について質問した。“おごり・おごられ”に対する意識を聞いたところ、<人におごりたくない>では「非常にあてはまる」が12.7%、「ややあてはまる」が24.1%で、合計した「あてはまる(計)」は36.8%となり、<人からおごられたくない>では「あてはまる(計)」は26.5%となった。“おごり・おごられ”により、相手に気を遣ったり気を遣わせたりしないようにしたいと考える人は少なくないようだ。

金銭感覚と人間関係についての意識を聞いたところ、<金銭感覚が異なる人とは友達になりたくない>では「あてはまる(計)」は46.7%、<金銭感覚が異なる人とは恋人になりたくない>では「あてはまる(計)」は58.2%となった。男女別にみると、女性では、金銭感覚が異なる人とは友達になりたくないと回答した人の割合が53.0%、金銭感覚が異なる人とは恋人になりたくないと回答した人の割合が68.2%と、どちらも半数を超えた。女性には、金銭感覚のズレがトラブルの原因になると感じている人が多いのではないか

また、<金銭感覚が異なる人とは夫婦になりたくない>では「あてはまる(計)」は 61.1%となった。男女別にみると、女性では、金銭感覚が異なる人とは夫婦になりたくないと回答した人の割合が70.2%と、男性(52.0%)と比べて18.2ポイント高くなった。

さらに、お金と幸せの関係についての意識を聞いたところ、<幸せになるにはお金が必要>では「あてはまる(計)」は66.4%となった。男女別にみると、女性では、幸せになるにはお金が必要と回答した人の割合が70.0%と、男性(62.8%)と比べて7.2ポイント高くなった。

人生を楽しむために一番大切にしたいと思うものを聞いたところ、1位「家族」(12.2%)、2位「趣味」(11.0%)となった。楽しい人生を送るためには、家族の存在や満喫できる趣味があることが欠かせないと考えている人が多いのではないか。次いで、3位「恋人・パートナー」(10.1%)、4位「お金」(9.6%)、5位「自分らしさ」(8.3%)となった。

男女別にみると、男性では1位「趣味」(12.6%)、2位「お金」(11.2%)、3位「恋人・パートナー」(10.8%)、女性では1位「家族」(16.0%)、2位「趣味」「恋人・パートナー」(いずれも9.4%)だった。男女・年代別にみると、20代前半男性では1位「恋人・パートナー」(14.0%)、20代後半男性では1位「趣味」「お金」(いずれも11.6%)、20代前半女性では1位「恋人・パートナー」(10.4%)、20代後半女性では1位「家族」(22.0%)だった。

続いて、これまでに自分の金銭感覚が変化したことがあるか聞いたところ、「変化したことがある」は64.4%、「変化したことはない」は35.6%となった。

これまでに自分の金銭感覚が変化したことがある人(644人)に、金銭感覚が変化したきっかけを聞いたところ、「一人暮らしを始めた」(27.6%)が最も高くなった。一人暮らしをすることで、金銭感覚が磨かれたと感じた人が多いと思われる。次いで高くなったのは、「就職した」(25.3%)、「クレジットカードを作った」(24.8%)、「アルバイトを始めた」(19.9%)、「お小遣いが増えた・減った」(16.9%)だった。男女別にみると、女性では「仕事をやめた」が14.1%、「結婚した」が12.9%、「子どもが生まれた」が11.7%と、男性(順に8.4%、5.5%、3.9%)と比べて5ポイント以上高くなった。

夢や目標を実現するための費用の準備方法について質問した。まず、利用したことがある方法を聞いたところ、「働く(アルバイト、単発の仕事も含む)」(41.2%)が最も高くなり、「預貯金する」(35.1%)、「投資する(株式投資、仮想通貨投資、実物投資、ポイント運用・ポイント投資など)」(22.4%)、「不用品を売る」(20.4%)、「クレジットカード・ローンを利用する(奨学金含む)」(20.3%)が続いた。男女別にみると、女性では「働く(アルバイト、単発の仕事も含む)」が46.0%と、男性(36.4%)と比べて9.6ポイント高くなった。

また、今後(または今後も)利用したいと思う方法を聞いたところ、「働く(アルバイト、単発の仕事も含む)」(37.3%)が最も高くなり、「預貯金する」(33.9%)、「投資する(株式投資、仮想通貨投資、実物投資、ポイント運用・ポイント投資など)」(29.5%)、「不用品を売る」(17.1%)、「クレジットカード・ローンを利用する(奨学金含む)」(13.0%)が続いた。

夢や目標を実現するための費用の準備方法で、特徴(メリットやデメリット)を理解している方法を聞いたところ、「働く(アルバイト、単発の仕事も含む)」(40.2%)が最も高くなった。実際に就業して自分自身で収入を得ることについては、メリット・デメリットを理解している人が多いようだ。一方、「投資する(株式投資、仮想通貨投資、実物投資、ポイント運用・ポイント投資など)」(26.7%)や「クレジットカード・ローンを利用する(奨学金含む)」(22.5%)は3割未満にとどまった。投資やクレジットカード・ローンといった金融サービスを利用する場合、メリット・デメリットを理解しないとトラブルに遭うリスクがあう。トラブルを回避するためにも、金融リテラシーの向上に取り組むことが大切だとしている。

ライフイベントと年収の関係について質問した。結婚しようと思える世帯年収額を聞いたところ、年収400万円でしようと思える割合(「年収400万円あれば」までの合計)は29.1%、年収500万円でしようと思える割合(「年収500万円あれば」までの合計)は45.2%、年収600万円でしようと思える割合(「年収600万円あれば」までの合計)は56.1%となり、20代の半数以上が結婚をイメージできるのは年収600万円であることがわかった。また、「年収がどんなに多くても、したいと思えない」は21.8%となった。

前回の調査結果と比較すると、半数以上が結婚しようと思えるのは、前回調査では年収600万円(61.0%)、今回調査でも年収600万円(56.1%)だった。

出産・子育て(1人)しようと思える世帯年収額を聞いたところ、20代の半数以上がイメージできるのは、前回調査では年収700万円(57.2%)、今回調査でも年収700万円(51.4%)だった。また、「年収がどんなに多くても、したいと思えない」と回答した人の割合は、前回調査 19.5%→今回調査 24.3%と、4.8ポイント上昇した。

自家用車を購入しようと思える世帯年収額を聞いたところ、年収400万円でしようと思える割合は33.2%、年収500万円でしようと思える割合は46.0%、年収600万円でしようと思える割合は54.3%と、半数以上が自家用車の購入をイメージできるのは年収600万円となった。

前回の調査結果と比較すると、半数以上が自家用車を購入しようと思えるのは前回調査では年収600万円(57.2%)、今回調査でも年収600万円(54.3%)だった。

また、住宅を購入しようと思える世帯年収額を聞いたところ、20代の半数以上がイメージできるのは、前回調査では年収800万円(54.2%)だったのに対し、今回調査では年収900万円(52.7%)と、ハードルが上がる結果となった。

これまでに、詐欺などのトラブルの被害に遭ったことがあるか聞いたところ、「遭ったことがある」は18.2%、「遭ったことはない」は81.8%となった。男女別にみると、「遭ったことがある」と回答した人の割合は、男性では20.4%と、女性(16.0%)と比べて4.4ポイント高くなった。

これまでに、詐欺などのトラブルの被害に遭ったことがある人(182人)に、被害に遭ったことがあるトラブルを聞いたところ、「マルチ商法・ねずみ講」(22.5%)が最も高くなり、「ワンクリック詐欺」(20.9%)、「無料商法」(19.8%)、「フィッシング詐欺」(18.1%)、「アルバイト詐欺(副業詐欺)」(13.2%)が続いた。

また、全回答者(1000人)に、これまでに、詐欺などのトラブルの被害に遭いそうになったことがあるか聞いたところ、「遭いそうになったことがある」は24.6%、「遭いそうになったことはない」は75.4%となった。

これまでに、詐欺などのトラブルの被害に遭いそうになったことがある人(246人)に、被害に遭いそうになったトラブルを聞いたところ、「ワンクリック詐欺」(35.4%)が最も高くなった。ウェブサイトを閲覧中、偽の契約成立画面が突然表示され、不安を感じたり支払いをしてしまいそうになったりした人が多いようだ。次いで高くなったのは、「マルチ商法・ねずみ講」(26.4%)、「フィッシング詐欺」(18.7%)、「無料商法」(17.5%)、「ネットオークション詐欺」(10.2%)だった。

次に、金融リテラシーについて質問した。学びたいと思う“社会の中で生きるための知識”を聞いたところ、「資産形成・資産運用」(33.0%)が最も高くなり、「生活設計(人生設計と人生に必要な資金の計画)」(20.4%)、「お金のトラブル」(20.3%)、「保険・リスク管理(事故・災害・病気などへの備え)」(19.7%)、「家計管理」(19.5%)が続いた。男女別にみると、女性では「生活設計(人生設計と人生に必要な資金の計画)」が23.0%、「家計管理」が23.8%と、男性(順に17.8%、15.2%)と比べて5ポイント以上高くなった。

前回の調査結果と比較すると、「資産形成・資産運用」は前回調査と今回調査のいずれも1位だった。資産形成方法や資産運用方法に関する知識・ノウハウをしっかり学びたいと考える人は多いようだ。

セミナーや学校・職場で学んだことがある“金融知識”を聞いたところ、1位「資産形成・資産運用」(9.8%)、2位「お金のトラブル」(8.2%)、3位「キャリア形成(キャリア形成に必要な力や態度など)」(7.7%)、4位「保険・リスク管理(事故・災害・病気などへの備え)」(7.4%)、5位「ローン・クレジットの仕組み」(6.1%)となった。また、学んだことがない人の割合(「特になし」を回答した人の割合)は67.3%、学んだことがある人の割合は32.7%だった。

これから学びたいと思う“金融知識”を聞いたところ、1位「資産形成・資産運用」(30.0%)、2位「保険・リスク管理(事故・災害・病気などへの備え)」(19.1%)、3位「生活設計(人生設計と人生に必要な資金の計画)」(18.8%)、4位「家計管理」(16.8%)、5位「ローン・クレジットの仕組み」(15.4%)となった。男女別にみると、女性では「生活設計(人生設計と人生に必要な資金の計画)」が21.4%と、男性(16.2%)と比べて5.2ポイント高くなった。

続いて、経済面や心身の健康状態、日常生活に対する満足度、仕事に対する満足度、金融リテラシーのレベルに関する自己評価について質問した。まず、経済面の健康状態を100点満点(0点:非常に悪い~100点:非常に良い)で自己採点すると何点になるか聞いたところ、「50点」(20.9%)が最も高くなったほか、「30点」(12.4%)や「40点」(12.1%)、「60点」(13.5%)にも回答がみられ、平均は46.7点だった。男女別にみると、男性では平均48.7点と、女性(平均44.7点)と比べて4.0点高くなった。

こころの健康状態を100点満点(0点:非常に悪い~100点:非常に良い)で自己採点すると何点になるか聞いたところ、「50点」(18.7%)が最も高くなり、平均は49.7点だった。男女別にみると、男性では平均51.1点と、女性(平均48.3点)と比べて2.8点高くなった。

一方、からだの健康状態を100点満点(0点:非常に悪い~100点:非常に良い)で自己採点すると何点になるか聞いたところ、「50点」(18.7%)が最も高くなったほか、「60点」(12.9%)や「70点」(13.2%)にも回答がみられ、平均は56.1点だった。

ここで、経済面の健康状態とこころの健康状態の関係や、経済面の健康状態とからだの健康状態の関係をみると、いずれも自己採点結果に正の相関がみられ、経済面の健康状態の点数が80~100点の人ではこころの健康状態の点数の平均は76.7点、からだの健康状態の点数の平均は79.3点だった。お金に対する不安がなく経済的な安心感を得られていると、心身の健康を良好に保てる傾向が高いようだ。

金融リテラシーのレベルを100点満点(0点:非常に低レベル~100点:非常に高レベル)で自己採点すると何点になるか聞いたところ、「50点」(26.0%)がとくに高くなり、平均は44.2点だった。男女別にみると、男性では平均46.4点と、女性(平均41.9点)と比べて4.5点高くなった。

ここで、金融知識をセミナーや学校・職場で学んだ経験別にみると、金融知識を学んだことがある人では、金融リテラシーのレベルの点数の平均は50.2点と、金融知識を学んだことがない人(41.2 点)と比べて9.0点高くなった。セミナーや学校・職場で金融知識について学んだ経験が、金融リテラシーのレベルの向上につながっているのではないだろうか。

また、日常生活に対する満足度を100点満点(0点:非常に不満~100点:非常に満足)で自己採点すると何点になるか聞いたところ、「50点」(19.1%)が最も高くなったほか、「60点」(15.0%)や「70点」(13.8%)にも回答がみられ、平均は52.2点だった。

有職者(690人)に、仕事に対する満足度を100点満点(0点:非常に不満~100点:非常に満足)で自己採点すると何点になるか聞いたところ、「50点」(20.7%)が最も高くなり、平均は47.9点だった。男女別にみると、男性では平均49.2点と、女性(平均46.7点)と比べて2.5点高くなった。

ここで、金融リテラシーのレベルと日常生活に対する満足度の関係や、金融リテラシーのレベルと仕事に対する満足度の関係をみると、いずれも自己採点結果に正の相関がみられ、金融リテラシーのレベルの点数が80~100点の人では日常生活に対する満足度の点数の平均は74.2点、仕事に対する満足度の点数の平均は70.2点だった。

また、金融リテラシーのレベルと経済面の健康状態の関係をみると、自己採点結果に正の相関がみられ、金融リテラシーのレベルの点数が80~100点の人では経済面の健康状態の点数の平均は72.8点だった。金融リテラシーのレベルが高いと、日常生活や仕事に対する満足度が高くなるだけでなく、ファイナンシャルウェルネス(現在および将来の生活・暮らしを支えるお金に対する不安が少なく、経済的な安定性や安心度が高い状態)の実現にもつながるようだ。

最後に、全回答者(1000人)に、金融知識に関する複数の記述を提示し、それぞれについて内容が正しいと思うか、誤っていると思うかを聞いた結果をまとめた。1問正答につき10点で合計点を算出した結果をみると、「50点」(34.6%)が最も高くなり、平均は54.2点だった。男女別にみると、男性では平均55.1点と、女性(平均53.3点)と比べて1.8点高くなった。

金融知識理解度が平均(54.2点)を上回った人(金融知識理解度が60点以上の人)について、金融知識理解度と金融リテラシーレベルの関係をみると、「金融リテラシーレベル自己採点」の点数が「金融知識理解度」の点数以上となった割合は、金融知識理解度が80点~100点の人では8.9%、70点の人では19.4%、60点の人では31.3%で、「金融リテラシーレベル自己採点」の点数の平均は金融知識理解度が80~100点の人では43.4点、70点の人では45.9点、60点の人では46.6点だった。知識が備わっているものの自身の金融リテラシーに自信をもっている人が少ないことをうかがえる結果となった。

© 株式会社BCN