「危機感がない分、増えていく懸念はある」新型コロナ急増…背景に新たな変異株「JN.1」“再感染”“再々感染”に注意

新型コロナの感染が再び静岡県内でも拡大していることを受け、県は「感染拡大注意報」を発表しています。第10波襲来の背景には、新たな変異株があるとみられていて、県はすでに感染経験がある人も、“再感染”や“再々感染”に注意が必要としています。

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静岡市駿河区の「東静岡クリニック」です。駐車場で新型コロナとインフルエンザの検査をしていました。1月30日午前に検査した患者3人中2人が、新型コロナの陽性でした。

<東静岡クリニック 白川京佐院長>
「きょう、検査をやっていたところ。新型コロナの陽性が出ました。インフルエンザA型、B型はマイナス(陰性)でした」

このクリニックでは当番医を務めた1月8日、検査を受けた人のうち、インフルエンザの陽性者は37人だったのに対して、新型コロナの陽性者は20人とおよそ半分。
一方、1月15日から29日までの2週間を見ると、インフルエンザ1人、新型コロナ9人とその割合が大きく変わりました。

<東静岡クリニック 白川京佐院長>
「1月初旬はやっぱりインフルエンザA型の方が増えていたが、1月中旬以降は新型コロナが増えてきている。それほどのひっ迫感はないのですが、逆に言えば(新型コロナに対する)危機感がない分、増えていく懸念はある」

静岡県は19日、約3か月ぶりに新型コロナの「感染拡大注意報」を発表。県内の指定医療機関における1週間あたりの感染者の数は15.31人となり、注意報レベルの8人を大きく超えています。

<滝澤悠希キャスター>
「こうした患者の増加の背景には、海外では2023年秋頃から感染が拡大した、新たな変異株の存在があるとみられます」

オミクロン株の一種で、新たな変異株「JN.1」。県が管轄する感染者のゲノム解析の結果では、1月に入って「JN.1」がおよそ7割を占めているということです。

静岡県感染症管理センターの後藤幹生センター長によりますと、一般の人の重症化リスクは高くないものの、再感染に注意が必要だといいます。

<静岡県感染症管理センター 後藤幹生センター長>
「(ウイルスの構造が)違っている顔つきになっているので、これまでに何度かコロナウイルスにかかった人もまた新たにかかる可能性が上がってきている」

そして、流行期には「状況に応じた対策が必要」と指摘します。

<静岡県感染症管理センター 後藤幹生センター長>
「周期的に年に1回くらいは、これまでにみなさんがコロナにかかっていく事態がずっと続く。重症化するリスクがある方に接する方は、やはり流行期にはマスクをしていただきたい」

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