広瀬アリスの強みは豊かな表情と類まれなる表現力 初の月9主演作『366日』に高まる期待

広瀬アリスが4月期のフジテレビ系月9ドラマ『366日』で主演を務めることが発表された。本作は、HYの楽曲「366日」をもとに描くラブストーリー。広瀬が演じるのは、音楽教室の事務をする女性・雪平明日香である。明日香は通っていた高校が廃校になるということで同窓会に参加した。するとそこには高校時代に思いを寄せていた水野遥斗の姿が。これをきっかけに明日香の実らなかった高校時代の恋が12年越しに動き始める。だがそこには思いもよらない展開が……。

あらすじを聞いただけでも、HYの「366日」の切ないメロディが思い起こされてくる。そんなドラマ『366日』の広瀬が主演だというのだから、いっそうの期待が湧き上がる。

広瀬は本作『366日』が月9初主演となり、なんと『ラジエーションハウスII~放射線科の診断レポート~』(フジテレビ系)以来3年ぶりに、しかも主演で月9に帰ってきたことになる。これまで朝ドラ『わろてんか』(NHK総合)の秦野リリコ役、『知ってるワイフ』(フジテレビ系)の剣崎澪役(大倉忠義とのW主演)、『マイ・セカンド・アオハル』(TBS系)の白玉佐弥子役などさまざまなドラマで活躍してきた広瀬だが、やはりその魅力は豊かな表情と類まれなる表現力だろう。

コメディエンヌとしても評価が高い広瀬だが、『知ってるワイフ』や『マイ・セカンド・アオハル』などの作品を観れば、ラブストーリーでも輝きを放つ女優であることは言わずもがな。特に『知ってるワイフ』では剣崎元春(大倉忠義)がタイムリープを繰り返して過去を変える中で、高校時代の澪、独身時代の澪、そして恐妻としての澪など、1人のキャラクター内の複数の側面を芝居で見せてくれた。

思わず恋に落ちてしまいそうなフレッシュな笑顔から、仕事に取り組む真摯な姿までを圧倒的“人間力”で描き出す。広瀬のこうした芝居の力は、『366日』のように現代から高校時代の思い出まで厚みのある背景を持ったキャラクターにはぴったりだろう。ドラマの中では、“学生時代の日々を思い出していく”というシーンもあるそうで、この回想シーンを広瀬が演じてくれるのかが気になるところだ。

さらにドラマ『366日』の主題歌はもちろんHYの「366日」となる。物語とクロスするであろう歌詞と、ボーカル・仲宗根泉の歌声がドラマとどのような調和を見せるのかも楽しみなポイントだ。加えて演出を務める平川雄一朗は『義母と娘のブルース』シリーズ(TBS系)、『JIN-仁-』シリーズ(TBS系)などの大ヒット作品を多数手掛けてきたヒットメーカーだ。1月期のドラマ『マルス-ゼロの革命-』(テレビ朝日系)でも演出を務めており、2クール連続で連ドラの演出を手がけるまさに引っ張りだこの存在。『義母と娘のブルース』や『JIN-仁-』は人と人の暖かさを秀逸に描いた作品であることから、『366日』での時を超えて描かれる同級生たちや遥斗との人間模様も気になるところ。また、プロデューサーの狩野雄太は広瀬とは『知ってるワイフ』以来の再タッグとなることから、広瀬の芝居がどんな作品で活きるのかは誰よりわかっていることだろう。

スタッフ陣も最強の布陣で挑む『366日』は、奇しくもうるう年である2024年に放送される。“365日でない”この1年をどう彩ってくれるのか、今から放送が待ちきれない。

(文=Nana Numoto)

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