長澤まさみ×藤井道人監督、Netflix映画『パレード』でタッグ 共演に坂口健太郎、横浜流星ら

長澤まさみが主演、藤井道人が監督を務めるNetflix映画『パレード』が、2月29日よりNetflixにて世界独占配信されることが決定した。

本作は、『余命10年』『最後まで行く』の藤井監督が、旅立ってしまった人の目線で、遺された人への想いを描く愛の物語。

瓦礫が打ち上げられた海辺で目を覚ました美奈子。離ればなれになった一人息子・良を捜す彼女は、道中で青年・アキラや元ヤクザの勝利、元映画プロデューサーのマイケルとその仲間たちと出会い、自分が亡くなったと知る。未練を残してこの世を去ったため、まだ“その先”に行けないのだと……。彼らもまた、様々な理由からこの世界にとどまっていた。現実を受け止めきれない美奈子だったが、月に一度死者たちが集い、それぞれの会いたかった人を探す“パレード”に参加したことを機に、各々の心に触れていくーー。

主人公の美奈子を演じるのは、『海街diary』、『MOTHER マザー』、『エルピス —希望、あるいは災い—』(カンテレ・フジテレビ系)などの長澤。死を自覚し、絶望した人間が運命を受け入れ、周囲や遺された人々を包み込む慈愛を発揮していくという役どころだ。

美奈子と行動を共にする仲間たちを演じるキャストも明らかに。穏やかななかにも哀愁を漂わせる文学青年アキラを『ヘルドッグス』『余命10年』の坂口健太郎、ヤクザの勝利を『ヴィレッジ』『春に散る』の横浜流星がそれぞれ演じる。また、Netflixシリーズ『新聞記者』など藤井監督の信頼も厚い寺島しのぶと田中哲司が、スナックのママ・かおりと元銀行員の田中役で出演。さらに、物語の推進力となる、ちゃらんぽらんだが人間味にあふれる映画プロデューサーのマイケル役にリリー・フランキーが名を連ねた。また、物語の中盤からは、『ラストレター』やNetflixシリーズ『舞妓さんちのまかないさん』の森七菜がこの6人に加わる。森は、生きることに絶望した女子高生・ナナの複雑な心情を表現する。

そのほか、黒島結菜、中島歩、若林拓也、深川麻衣、でんでん、舘ひろし、北村有起哉、木野花、奥平大兼が共演に名を連ねている。

あわせて公開されたキーアートでは、主演の長澤を中心とするキャスト陣が集結し、背景には無人の観覧車と青く澄んだ空が広がる、記念撮影のようなビジュアルに仕上がっている。

長澤、坂口、リリー、藤井監督からはコメントも到着した。

コメント
長澤まさみ

いつもあたり前にあった日常が、突然にして変わる事があり、まるで足跡を踏み直す様に、深く深く刻まれる。物語の中では人と人が繋がり助け合い、分かち合う事で1人では拭えない不安や恐怖を遠ざけ進んでゆく。あぁ私にも出来るかもしれない。皆んなと同じ様に誰かの力になれるかも。力強く歩みを進めて、自分の扉を開く準備をしよう。これはいつだって、誰にでも許された自由であり希望なのだと思いました。

坂口健太郎

不思議な世界の話でした。生と死、その間にある世界で僕たちは確かに存在し、息をして、心がある、誰か、何かのためへの気持ちで一つの作品が生み出され、それが結果多くの心を揺さぶる、そういう作品の価値を改めて考えさせてくれた作品でした。そこに生きた僕たちの感情や想いに触れていただけたら嬉しいです。

リリー・フランキー

母が生きていた時よりも、今のほうが、毎日、会話をしている気がします。朝、出掛ける前の仏壇に。街を歩いている何かの瞬間に。目の前にいた時よりも多く、話しかけていると思います。この映画に描かれた遊園地のような場所にもし、オカンがいて、元気にやっているのなら、安心した気持ちになれました。そして、この映画の中に登場するマイケルは、ある映画プロデューサーをモデルにし、この作品は彼に対するレクイエムでもあります。命あるものは、姿かたちが無くなったから死ぬのではなく、その人の事を誰も思い出さなくなった時、はじめて死ぬのだと思います。この『パレード』を観て、誰かが、かつてそこにいた誰かを思い出すきっかけになれば、この映画は完成するのだと思います。

藤井道人(脚本・監督)

「映画こそ、自由であるべきだ」と彼は言った。無責任な言葉だなと思いながら、そんな彼の言葉を胸に、久しぶりに自分の個人的な感情を信じて『パレード』を作りました。本作は、10年間自分が描きたくても描けなかったテーマと、私に突如訪れた「別れ」が偶発的に合わさって生まれた作品です。長澤まさみさんをはじめとする素晴らしいキャストとスタッフと作り上げたこの映画が、「喪失」を経験したすべての人たちの心に寄り添う作品になっていると信じています。そして、制作のハードルが極めて高い本作を、初稿を読んでGOを出してくれたNetflixに改めて感謝したいと思います。配信まで、楽しみにお待ちください。この度の震災に際し、心よりお見舞い申し上げます。1日も早い復旧をお祈りしております。

(文=リアルサウンド編集部)

© 株式会社blueprint