容疑者立ち合いで実況見分…親子2人ひき逃げ死亡事件 助手席側の荷台の扉が壊れていたか 静岡・沼津市

85歳の男は容疑を否認しています。静岡県沼津市で親子2人が死亡したひき逃げ事件で、警察は容疑者を現場に立ち会わせて実況見分しました。

白鳥衛記者:「午前11時前です。容疑者が運転していたトラックが現場から1キロほど手前に到着しました。荷台の左側はパカパカと浮いている様子が分かります」

1月15日、沼津市松長で、近くに住む33歳の会社員のと59歳の母親が、車にはねられ死亡したひき逃げ事件。現場付近では30日、実際に容疑者が運転していたトラックを警察が運び込み、実況見分が行われました。

捜査関係者によると、親子はゴミ出し用のネットの取り付け作業をしていたところ、車にはねられた可能性があるということです。警察はトラックを運転していた沼津市の85歳の魚販売業の男をひき逃げなどの疑いで逮捕・送検しています。

そして正午過ぎ、現場には警察に連れられた容疑者の姿が…

白鳥衛記者:「現在、容疑者がトラックの運転席に座り、事故が起きる前の状況を確認してるものとみられます」

男は事件当日、仕事で沼津港に向かう途中、2人に衝突したにも関わらずそのまま逃走した疑いがもたれています。

一体、なぜこんな事件が起きてしまったのでしょうか。

白鳥衛記者:「トラックの荷台部分を見てみますと、上の金具が2つほどないのが分かります。また下の方を見てみますと鍵がないのが分かります」

容疑者が普段使っていた車は両サイドと後ろの扉が開く移動販売車。しかし、この移動販売車について近隣住民は…。

近隣住民:「側面の扉を開けたまま走っているのを見ているし、電柱にぶつけているのは見たことがある」

Q.危ない感じだった?

A.「開いている時は自分の家も小さい子どもがいるので、ぶつかったら危ないなと思って『開いてるよ』とは言ったことがある」

近隣住民によると、事件の前から助手席側の荷台の扉が壊れていて、扉が開いた状態で運転していたこともあったと言います。また、2年ほど前にはその扉を電柱にぶつける事故も起こしていたということです。

事件当日、市場関係者はいつも以上に壊れた扉を目にしたと言います。

市場関係者:「助手席の荷台の戸が壊れていた。本人に問いただしたら『どっかで来るときにこすっちゃった』と私に言った。大きい事故を起こした後という感じではない。普段の通り」

また、容疑者の親族からはこんな話も…。

容疑者の親族:「亡くなられた方はすごく大変だと思うが、(本人は)人をまだひいたと思っていないらしい」

Q.自身がひいた感覚がないというのは誰から聞いた?
A.「もうずっと最初から」
Q.本人がそう言っている?
A.「はい」
Q.事件の後も変わった様子はなかった?
A.「はい」

捜査関係者によると、容疑者は「電柱にぶつかったと思った。人とは思わなかった」と容疑を否認しているということです。

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