伝説の“森保ジャパン初期メンバー”、「M-150カップ」から飛躍した日本代表4名

ロシアワールドカップ後の2018年7月から日本代表を率いている森保一監督。

今年で就任6年目を迎えるが、東京五輪代表チームの監督に就いたのはA代表の前年、2017年10月のことだった。

その五輪世代のチームを率いて、初めて臨んだのが同年12月にタイで開催されたM-150カップ。

そこで、初めての「森保ジャパン」である同大会の出場メンバーからその後とくに飛躍した4名の選手と当時の招集リストを紹介する。

大迫敬介

1999年7月28日生まれ(当時18歳)

鹿児島県出水市出身の大迫敬介は、高校からサンフレッチェ広島ユースへ加入。

元バレーボール選手を母に持つ彼は、小学生時代からGKとしての才能を見せつけ、広島ユースでも1年次からトップチームのキャンプに参加。2年次にはチームのU-18プレミアリーグWEST制覇に貢献している。

2018年にトップチームへ昇格すると、2年目の2019シーズンには正GK林卓人の負傷もあり29試合に出場。東京五輪代表でも1学年下の谷晃生と激しいポジション争いを繰り広げていった。

五輪では谷のバックアップに終わったものの、A代表では立場が逆転。アジアカップはオフに手術を行ったため回避を余儀なくされたが、代表守護神を争う存在であることに変わりはない。

三笘薫

1997年5月20日生まれ(当時20歳)

三笘薫の名が日本のサッカーファンに知られるようになったのは、このM-150カップが開催された2017年のこと。

6月21日に行われた天皇杯2回戦、筑波大の9番をつけてベガルタ仙台と対戦した三笘は、見事なドリブル突破などで2得点を記録。チームを勝利に導いてみせた。

すでに大学サッカー界で“アンストッパブル”な存在だった20歳を森保監督も大いに注目し、まだ華奢で粗削りだったドリブラーを五輪代表へ継続的に招集。それが三笘の成長スピードを加速させた効果は間違いなくあっただろう。

2020年に加入した川崎フロンターレですぐに中心選手となり、まもなく世界へ羽ばたいていった三笘。現在開催されているアジアカップでもきっと日本代表に大きな力をもたらしてくれるはずだ。

旗手怜央

1997年11月21日生まれ(当時20歳)

今ではすっかり万能型MFというイメージが定着した旗手怜央。しかしM-150カップに出場した当時はバリバリのFWだった。

静岡学園高から進学した順天堂大では、1年次からレギュラー。2年次の2017年8月にはユニバーシアードに出場して優勝しており、当時のチームメイトには脇坂泰斗、守田英正、そして同い年の三笘薫と、のちに川崎フロンターレでともにプレーする選手たちがいた。

2020年にプロ入りし、1年目の終盤から左サイドバックで起用されたことでその万能性が開花。川崎のリーグ連覇に貢献した直後に移籍したセルティックでもすぐに主力の座を獲得している。

日本代表ではなかなか思うような活躍をできていなかったが、アジアカップのインドネシア戦で光るプレーを随所に披露。今大会でのブレイクが期待される。

上田綺世

1998年8月28日生まれ(当時19歳)

4人目は上田綺世。就任以来おそらく最も森保監督の“寵愛”を受けた選手の一人だろう。

鹿島学園高から進学した法政大で1年目から出場機会を掴んだストライカーは、大学時代からコパ・アメリカにE-1選手権、プロ入り後も東京五輪やカタールワールドカップなど大きな大会で活躍が期待されたが、なかなか結果を残せず。

日本代表でも、2023年6月のエルサルバドル戦での初ゴールまで15試合を擁した。しかし、ベルギー1年目のセルクル・ブルッヘで22得点を記録した点取り屋はフェイエノールトへの移籍を経てさらに成長。

アジアカップでもここまで3試合で3ゴールを決めており、日本代表のエースストライカーと呼べる存在になってきた。森保監督への恩返しの意味でもここからのゴール量産に期待したい。

最後に、M-150カップの招集リストがこちら(※括弧内は左が当時の所属チーム、右が2024年1月現在)

GK:

1.オビ・パウエル・オビンナ(流通経済大/ヴィッセル神戸)
12.大迫敬介(サンフレッチェ広島ユース/サンフレッチェ広島)
23.谷晃生(ガンバ大阪ユース/FC町田ゼルビア)

DF:

4.庄司朋乃也(ツエーゲン金沢/ツエーゲン金沢)
22.岡野洵(ジェフユナイテッド千葉/V・ファーレン長崎)
5.大南拓磨(ジュビロ磐田/川崎フロンターレ)
3.立田悠悟(清水エスパルス/柏レイソル)
20.麻田将吾(京都サンガF.C./京都サンガF.C.)

MF:

6.浦田樹(ギラヴァンツ北九州/NKマリボル)
2.岩田智輝(大分トリニータ/セルティック)
8.長沼洋一(モンテディオ山形/サガン鳥栖)
13.平戸太貴(FC町田ゼルビア/京都サンガF.C.)
10.神谷優太(湘南ベルマーレ/江原FC)
14.三笘薫(筑波大/ブライトン)
17.井上潮音(東京ヴェルディ/横浜FC)
15.宮崎幾笑(ツエーゲン金沢/無所属)
19.松本泰志(サンフレッチェ広島/サンフレッチェ広島)
18.菅大輝(北海道コンサドーレ札幌/北海道コンサドーレ札幌)
7.針谷岳晃(ジュビロ磐田/福島ユナイテッドFC)
16.渡辺皓太(東京ヴェルディ/横浜F・マリノス)

FW:

11.旗手怜央(順天堂大/セルティック)
21.上田綺世(法政大/フェイエノールト)
9.小松蓮(産業能率大/ブラウブリッツ秋田)

4人以外にも、2022年に横浜F・マリノスでJリーグMVPに輝いた岩田智輝。さらに現在Jリーグのトップクラブで活躍する渡辺皓太や大南拓磨などがメンバーに入っていた。

日本代表、アジアカップ優勝へ「逆襲の鍵を握る」5名の選手

なお、この選手たちで臨んだM-150カップはグループステージで1勝1敗。ウズベキスタンとの決勝は神谷優太と小松蓮がゴールを決めたものの2-2でPK戦の末敗れている。

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