『リビングの松永さん』美己のかわいい“嫉妬心” 凌を魅力的にする藤原大祐の柔和な雰囲気

心惹かれる人の視線が向く先が、どうしても気になってしまう。そんな心の中に渦巻く負の感情は、恋の沼に身を投じている証拠とも言えるだろう。『リビングの松永さん』(カンテレ・フジテレビ系)第4話は、恋心の裏返しとして現れた美己(髙橋ひかる)のかわいい“嫉妬心”を丁寧に描き出した。

美己は、松永(中島健人)への恋心に気づき、同じ屋根の下で生活する中での距離感に悩む。親友のマホ(志田こはく)とりっちゃん(臼井萌音)に相談した結果、「シェアハウスの男の人たちって3人でしょ? うちらもちょうど3人だし」とりっちゃんが提案した松永たちとの合コンが決定。医大生である凌(藤原大祐)に惹かれるマホも賛同する。

しかし美己は、松永に合コンの話をすることができず、結果として、マホと凌を引き合わせるための合コンという話に変わってしまう。ここでも松永は美己が17歳であることを強調し、保護者ムーブを醸し出す。「なんでこうなっちゃうんだろう?」という美己の心の嘆きが不憫だ。

合コンの開催を知った松永は当初反対するものの、健太郎(向井康二)や朝子(黒川智花)に説得され、条件付きで美己の参加を許可する。美己が松永を誘うことができなかったため、合コンの相手は凌の医大の友人になることに。

合コン当日、美己が外出している間、シェアハウスでソワソワする松永に健太郎が合コンに行くことを提案する。健太郎の「あの時行っとけばよかったって後悔するの、俺はやだな~」という言葉が刺さった松永は、渋る様子を見せつつも最終的には誘いに応じる。お決まりの展開ではあるものの、やはり松永がいつも通り“わかりやすく”美己を気にしている姿は微笑ましい。

一方で美己も、松永から連絡があるのではと携帯を気にしながら、他のメンバーたちとカラオケで楽しんでいた。しかし美己たちが店を出ると、松永と健太郎は女性と出かけており、その光景に鉢合わせてしまった美己はショックを受ける。松永と共に観ているこちらも「騙された!」と言いたいところだが、健太郎の示した合コンは、別の女子たちが集まる会だったのだ。

それにもかかわらず「俺たちは大人だからな。自分で責任持てるからな」と誤解を解こうともしない松永に、気持ちのやり場をなくす美己。そんな彼女に声をかけたのが、凌だ。

これまで登場回数が少なかったゆえに、いまいちキャラクターが掴みづらかった凌だが、藤原大祐演じるクールな医学生は一見“モテ男子”そのものである。合コンでも美己をさりげなく気遣う優しさを見せ、紳士の風格を漂わせていた凌。いまのところ台詞は少ないものの、藤原の柔和な雰囲気が、凌を松永とは異なる魅力を持つ人物として際立たせている。

さらに不運が続き、美己は松永からもらったストラップを鉄格子の向こうに落としてしまう。美己の「見えるところにあるのに……」の後に続くであろう「手に届かない」という言葉が、今の2人の距離を表しているようでもどかしい。

しかし、我らの“松永さん”は期待を裏切らない。ベストなタイミングで美己の元へ戻り、ピンチに陥った彼女を今回も助ける。松永の隣にいた女性についても、介抱をしていただけであったことが明らかになり、美己はようやく安堵のため息を吐いたのだった。

もはやここまでの流れを、毎話安心して楽しんでいる節すらある『リビングの松永さん』だが、予告を見る限り、来週からはついに凌が本格的に動き出す予感。そろそろ、藤原演じるイケメン医大生の魅力もたっぷりと拝みたいところだ。美己のかわいい困り顔を笑顔にできるのは、やはり松永だけの特権なのだろうか。その答えは、第5話で明らかになりそうだ。

(文=すなくじら)

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