丸岡城天守の壁、防火訓練の放水ではがれ落ちる 福井県坂井市、放水銃の首振り不具合で

放水の影響で、丸岡城天守のしっくいがはがれ落ちた箇所(赤丸部分)=福井県坂井市
放水の影響で、丸岡城天守のしっくいがはがれ落ちた箇所

 国の重要文化財に指定されている福井県坂井市の丸岡城天守で、嶺北丸岡消防署が防火訓練を行った際、放水の影響で天守1階の壁のしっくいが一部はがれ落ちたことが1月29日、同消防署や市教委への取材で分かった。市教委は春以降できるだけ早く応急措置を施す方針。

 同消防署によると、訓練は文化財防火デーに合わせ26日に実施。天守周辺の3カ所にある常設の自動放水銃を使用した際、西側の放水銃の首振り機能が作動せず、約5分間にわたり壁の同じ部分に高圧の水が当たり続けた。この影響で、しっくいが直径10~20センチほどの範囲ではがれ落ちたという。

 市教委によると、しっくいは寒暖差や経年劣化でもはがれることがあり、「天守全体に大きな影響はない」と説明。2025、26年度に予定する大規模修繕で屋根瓦や建具とともに壁も改修する。放水銃は市が約10年前に設置したもので、不具合の原因を今後調査し対応を検討する。

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