献立、買い出し、洗い物…毎日の料理にもさまざまな時短テクがあるって知っていました?

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快適に暮らす上で避けて通ることができないのが家事。でも、家事に割かれる時間を少しでも減らしたいと考える人も多いのではないでしょうか。

家事の中でも、特に時間や手間が取られるのが料理です。料理が完成するまでには、単に調理だけでなく、買い物から後片づけまで数多くの工程があり、しかも、多ければ一日三回もそれをこなさなければなりません。そこで今回は、暮らしスタイリストとして料理をはじめ家事全般の情報を日々発信されている河野真希さんに、じつは料理の中で時短が可能な工程とその方法をお伺いしました。

考えなくてもいいシステムを作ろう

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料理と一言でいっても、食卓にご飯が並ぶまでには数多くの工程があります。献立を考え、買い物をし、下ごしらえを含めた調理をして、さらに食べ終わったら後片づけもあります。その上、栄養バランスや食材の使い切り、調理の段取りなど、考えなくてはならないこともたくさん。単純に作業を行っている時間に加えて、考える時間も必要ということが、料理をより大変にさせるポイントでもあります。

料理の時短をするには、その“考える時間”を減らすこと。料理のルーティンを作って、考えなくても動けるようにしておくと、時短につながります。料理が好きな私でも、忙しかったり疲れているときには、献立を考えたり買い物をしたりする時間が億劫になります。そんなときには「こうすればいい」と決めておくと、頭を使わず、何も考えずに動けるので、気持ちにも余裕が生まれます。

料理のそれぞれの工程ごとに、時短できる方法を具体的に紹介していきます。

献立作り→1週間分のルーティンを決めれば時短に

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料理の工程の中でも苦手な人が多いのが献立作り。ここは、ざっくりと一週間分の献立を決めておくと、時短になるはずです。

私の場合は料理が好きということもあって、普段は日々献立を考えていますが、余裕がないときには事前に決めておいたルーティンに従うようにしています。

ちなみに、我が家のルーティン献立は、
月:焼き魚
火:肉料理(煮る)
水:丼もの(カレー、親子丼など)
木:肉料理(焼く)
金:炒め物
土:鍋料理
日:オーブン料理

となっています。

また、焼き魚には冷奴と青菜のおひたし、簡単な煮物、味噌汁、カレーにはサラダといった主菜に合わせた副菜や汁物も決めているので、献立に迷うことがありません。

とはいえ、この方法も料理に慣れていない人や献立作りが苦手な人にとっては負担になることも。1週間分の献立を自動で作ってくれる献立アプリなど、便利なものを頼るのもアリです。

買い物→ネットスーパーを活用、またはリストアップで時短

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調理をすること以外で、大きく時間を取られるのが買い物です。我が家ではメインの買い物をネットスーパーで済ませるようになったことが大きな時短につながりました。

ネットスーパーを使うとお店までの往復の時間が節約できるだけでなく、家で冷蔵庫の中の食材を確認しながら、買い物ができるので、買い忘れや買いすぎが防ぐことができます。また、多くのネットスーパーではお気に入り機能があり、毎回買うものは登録しておけるので、検索の手間がなく、これまた時短に。

ネットスーパーでは足りなかったものやどうしても目で見て確認したいものだけ実店舗で買うので、スーパーでの滞在時間も短くなります。

ネットスーパーが使えない地域や、実際に手に取ってから買いたいという人も、毎回必ず買うものをリストアップしておいたり、行きつけのお店を決めておくと、時短につながります。お店が混雑する時間帯を避けることも、買い物時間を短くする方法です。

調理→肉も野菜も冷凍を活用すれば時短

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調理の時短術はさまざまありますが、私がイチオシしたいのが冷凍ストックです。肉や魚などを買ってきたら、下味をつけて冷凍保存袋に入れて冷凍。解凍して焼くだけで主菜が完成します。豚こま切れ肉やひき肉なら、そのまま冷凍保存袋に入れて、調味料や香味野菜と揉みこんで冷凍すればいいので、包丁要らず。魚の切り身にもおすすめの方法です。

冷凍ストックの味つけには醤油や味噌、酢といった基本の調味料だけでなく、マヨネーズ、ケチャップ、ドレッシング、焼き肉のたれ、めんつゆなどを混ぜ合わせて使えば、味のバリエーションも広がります。めんつゆ+マヨネーズ、焼き肉のたれ+酢といった意外な組み合わせもおいしいですよ。

また、野菜を切るときは、そのときに使う分だけでなく、多めに切って、一部冷凍しておくと便利です。冷凍した野菜は火が通りやすく、素早く煮えるため、調理の時短につながります。ストック野菜を凍ったまま鍋に入れて沸騰させたら、あとはスープの素や味噌で味を調えるだけ。短時間で汁物が作れます。

後片づけ→拭く工程を省けば時短、しかも清潔?

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食事をしたあとの食器洗いには、洗って流して、さらに拭いて食器棚に片づけるといった工程があり、時間を多く取られます。この中で洗って流すことは省略しにくいですが、拭いて片づける工程はやめてしまうというのもひとつの手です。

大きめの水切りマットを用意し、洗って流した食器をなるべく重ならないように広げて並べ、自然乾燥させます。乾いたら片づけてもいいですが、毎食使う茶碗やお椀、マグカップなどは、次の食事まで置いておいて、そのまま使うというのもアリ。

ちなみに、ふきんで拭いたほうがていねいな気がするかもしれませんが、一度濡れたふきんを洗わずに何度も使っていると、自然乾燥より不衛生なことも。ふきんは濡れたままだと、数時間で雑菌が繁殖します。毎回交換して、使ったふきんを除菌をすればいいのですが、これまた手間がかかります。それができないのであれば、自然乾燥のほうがベターです。

また、食べ終わったあとの食器がシンクに溜まってしまうほど忙しいときには、紙皿や紙コップなどの使い捨てのものを活用してみるのもおすすめです。ふきんも使い捨てのキッチンタオルにすると、洗う手間が省ける上に衛生的。毎回使うのはコスパが悪いですが、余裕のないときには無理せず便利なものを使っていきましょう。

◆監修・執筆/河野 真希
暮らしスタイリスト・一人暮らしアドバイザー・料理家。料理や家事、インテリアなど、気持ちのいい暮らしを作る、はじめるためのライフスタイル提案を行う。流行や思い込みにとらわれずに、無理なく持続可能で快適な自分らしい暮らしづくりを応援。 『料理教室つづくらす食堂』主宰。

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