ヒャダイン 芦原妃名子さん急死で実写化巡る制作サイドへの“怒り”に「よく言ってくれた」広がる賛同

(写真:時事通信)

「再発防止と原作者の権利っていうのを必ず守らなければいけない。今、あまりにも原作者の権利が少ない状況ですから。本当に入ってくるお金も少ないですし、守られないことは往々にしてあります」

1月30日放送の『おはよう朝日です』(ABCテレビ)でこう語ったのは、ミュージシャンでタレントのヒャダインこと前山田健一(43)。前日29日に連続ドラマ『セクシー田中さん』(日本テレビ系)の原作者・芦原妃名子さん(享年50)が急逝したことに際し、原作者の権利を強く訴えた。

「芦原さんは26日に、本ドラマに関して9話・10話の脚本を自ら執筆した経緯をXで報告していました。ドラマ化にあたって漫画原作が完結していないことから、《ドラマ化するなら「必ず漫画に忠実に」》《「原作者があらすじからセリフまで」用意する》などと条件を伝えていたそうです。

しかし、そうした約束事が守られなかったことから、自ら脚本を執筆することに。また小学館を通じて日本テレビとやり取りをしていたそうで、窓口役だったプロデューサーが条件を制作陣にどう伝えていたのか不安を感じていた様子も伺えました」(テレビ局関係者)

芦原さんは28日までに一連の投稿やブログのアカウントを削除し、Xに《攻撃したかったわけじゃなくて。ごめんなさい》と謝罪の言葉を残していた。ネットやSNSでは芦原さんの突然の死を受け、漫画の実写化において原作者が弱い立場に置かれている状況や、原作への敬意が払われていないことなどについて議論が加熱している。

そうしたなか、朝の情報番組でも冒頭のように怒りを滲ませて主張したヒャダイン。岩本計介アナウンサー(48)から「漫画とかだけじゃなく、ヒャダインさんの音楽の世界もそうですか?」と投げられると、「特に漫画、小説は原作者への権利は少ないですね」と答えていた。

さらにヒャダインは「本当に言いたいこと」として、カメラに向かって真剣にこう呼びかけていた。

「だからといって、自分で死ぬことは本当に良くないと思います。これを(このニュースを)朝見て、影響を受ける方もいるかもしれないですが、本当に生きていれば良いことがあると思いますので。なので、自死は良くないと思います」

いっぽう日本テレビは、29日に発表した芦原さんへの追悼コメントで《原作代理人である小学館を通じて原作者である芦原さんのご意見をいただきながら脚本制作作業の話し合いを重ね、最終的に許諾をいただけた脚本を決定原稿とし、放送しております》とのみ説明。《本作品の制作にご尽力いただいた芦原さんには感謝しております》と締めくくっており、芦原さん側とのやり取りや脚本が出来上がるまでの過程について説明はなかった。

このコメントは『おはよう朝日です』でも紹介され、ヒャダインは「ちょっと冷たいコメントだなと、私は思います」と険しい表情で断じていた。

漫画家と同じく作品を生み出す立場にあるヒャダイン。彼の勇気ある発言に、ニュースサイトのコメント欄やXでは支持する声が相次いでいる。

《ヒャダインさんの意見にまるっと同意》

《ヒャダインさんよく言ってくれた。原作者の権利、日テレのコメントも冷たいって》

《ここでは人として普通の感覚を持った意見をされていたと感じる。特にヒャダインさんの日テレが出したコメントについて「冷たいコメントだなと感じた」と発したのは凄いし、原作者の権利が守られない現状を伝えてくれたのは良かったな》

《ヒャダインが瞳の奥に怒りを宿しながらもテレビで言葉を慎重に選びつつ真剣にコメントをしてくれてるのがありがたい。このタイミングで自分の意見を述べるのも大変だと思うのに。他者の心を踏みにじっても何も思わない人間でなければこの大変さが理解できるはず》

【厚生労働省のサイトで紹介している主な悩み相談窓口】

▼いのちの電話

0570-783-556(午前10時~午後10時)
0120-783-556(午後4時~同9時、毎月10日は午前8時~翌日午前8時)

▼こころの健康相談統一ダイヤル

0570-064-556(対応の曜日・時間は都道府県により異なる)

▼よりそいホットライン

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岩手、宮城、福島各県からは0120-279-226(24時間対応)

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