有報での人事労務データ開示へ 金融庁が情報開示の好事例集

金融庁はこのほど、有価証券報告書(有報)での企業の情報開示に関して「記述情報の開示の好事例集2023」を発表した。昨年から有報に新設されたサステナビリティ関連情報の記載欄に含まれる人的資本に関する項目では、男女間賃金格差の開示をはじめ、人材育成や従業員エンゲージメントといった人事労務のデータを開示する際のポイントが整理されている。

例えば男女間賃金格差について、全体平均だけでなく役割等級別の賃金差異を掲載しているのが双日の事例。主任や係長、課長など職位別の男女比も開示しており、特に係長以上の管理職層の女性比率を高めることが、格差の縮小につながる点を明示。その上で「各世代層のパイプライン形成と経験の蓄積やキャリア意識の醸成を積極的に進め」るなど施策の方向性も記載している。



ソフトウェア開発のUniposでは、退職率の急増といったリスクを抑え従業員のエンゲージメントを高めるため、「自分の職場を他者にどのくらい推奨したいか」を測る指標であるeNPS(Employee Net Promoter Score)のアンケート調査のスコアを開示。推奨度への影響が高いと考えられる要素をあげた上で、1年後のスコア目標値をあわせて記載している。

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