アカデミー賞助演女優賞に王手!スピルバーグの名作をミュージカル映画に蘇らせた『カラーパープル』の“徹底したこだわり”を熟練スタッフ&監督が明かすコメント到着

『カラーパープル』© 2023 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved.

アカデミー賞ノミネートの最注目ミュージカル映画

巨匠スティーブン・スピルバーグによる名作をミュージカル映画として新たに蘇らせた新作映画『カラーパープル』が、2024年2月9日(金)より全国公開。先日発表された第96回アカデミー賞ノミネーションではダニエル・ブルックスが助演女優賞にノミネートされ、日本公開目前というタイミングでさらに話題を呼んでいる。

スピルバーグ御大ほか豪華制作陣も話題の本作には、どんな“こだわり”が隠されているのか? 撮影、照明、衣装、そして色彩設計に至るまで徹底された、オスカー作品『シェイプ・オブ・ウォーター』も手掛けた精鋭スタッフ&監督が制作秘話を明かすコメントが到着した。

スピルバーグ“無冠の名作”を換骨奪胎

最新ミュージカル映画『カラーパープル』のオリジナルは、ピューリッツァー賞受賞のアリス・ウォーカーによる同名小説を原作に、スピルバーグが『E.T.』 の後初めてシリアスな作品に挑んだ1985年の同名映画。第58回アカデミー賞で10部門11ノミネートを果たしながらも無冠となったが、クチコミの力で全米1位、5ヶ月以上のロングランとなった“伝説”の作品だ。(※BOXOFFICE Mojo調べ)

このたび38年の時を経て、ミュージカル映画としてスクリーンに甦った『カラーパープル』。製作にはスピルバーグを始め、オリジナル版で映画初出演でアカデミー賞®助演女優賞ノミネートのオプラ・ウィンフリー、オリジナル版でアカデミー賞作曲賞と歌曲賞にノミネートのクインシー・ジョーンズが顔を揃え、新鋭ブリッツ・バザウーレ監督が、《希望》と《自己肯定感》を求める女性たちの姿をエモーショナルにとらえ、キャストたちの圧巻の歌声が観る者の心を奮い立たせる力強いミュージカルとなっている。

アカデミー賞受賞の実力派スタッフが明かす制作秘話

巨匠による伝説の作品をミュージカル映画に仕上げるために製作陣は、俊英ブリッツ・バザウーレ監督を抜擢。また、撮影監督に『シェイプ・オブ・ウォーター』(17)でアカデミー賞ノミネートのダン・ローストセン、美術監督には同じく『シェイプ~』でアカデミー賞受賞のポール・デナム・オースタベリーを起用した。

監督と光について話し合ったと語るのは、撮影監督のローストセン。「照明は光源を一つにし、コントラストが非常に強い照明になっても暗闇を恐れないこと」と、登場人物たちが置かれている状況を光によって表現したという。

そして視覚的トーンに綿密な打合せが行われ、監督は「時代物の多くは“セピア色”をしているが、それは長い年月を経た写真を参考にしている人たちが多いから。私たちは、昔どうだったかを示す“写真”ではなく、“昔どうだったか”ということを参考にすることにしたんです。そのおかげで、色彩や肌のトーンでいろいろと試すことができました」と振り返る。

スピルバーグのオリジナル版ではタイトルの『カラーパープル』を直感的に伝えるために、セリーとシュグが歩く花畑を紫色にすることにこだわった。今回も特に「パープル」の使い方に気を配り、物語の前半では使用を控え、後半にパープルの色彩を高インパクトで映し出している。

「色」で表現するキャラクター像

バザウーレ監督の色彩演出のこだわりについて、「全体的に、この映画のカラーパレットはアースカラーのブラウンやグリーンです。『バーガンディや赤のトーンは、権力や影響力を持った人たちのためにとっておきたい』と監督は言っていました」と明かすのは、美術監督のオースタインだ。

オースタインは主人公セリーの人生を変える歌姫・シュグの登場シーンを例に、「初登場シーンでは、バーガンディ色のコンバーチブルに乗ってきます。そして彼女が酒場に行くシーンのために、衣装デザイナーが素晴らしい赤いドレスと赤い羽根の髪飾りをデザインしました」と解説。ワイン色の車からゴージャスな真紅の衣装へと色彩を重ねることで、華やかさの演出と同時に、セリーに影響を与えるシュグのキャラクターを美しく表現したようだ。

撮影、照明、衣装、色彩設計――名作のミュージカル化を成し遂げた本作の舞台裏には、ブリッツ・バザウーレ監督と精鋭スタッフの徹底したこだわりがあった。これらを踏まえて劇場で鑑賞すれば、より一層深く楽しめるはずだ。

『カラーパープル』は2024年2月9日(金)より全国ロードショー

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