「世界で一番きれいな言葉」=日本手話を知ることから始めよう。HTBでイベント&特集番組!

2月4日にHTB北海道テレビで、テレメンタリー2024「世界一きれいな言葉」(午前10:30、北海道ローカル)が放送される(テレビ朝日系各局でも随時放送)。北海道・美瑛で家族と暮らす41歳のろう者・春日晴樹さんの姿を通し、“世界で一番きれいな言葉”という、日本手話について考える。放送前日・2月3日には、春日さんを招いたイベントをHTBの1階“onちゃんテラス”(札幌市中央区北1条西1丁目6)で開催する。

手話というと、どんなイメージを持っているだろうか。「日本語に合わせて手を動かすジェスチャーのようなもの」…そう思っていないだろうか? しかし、実際は違う。手話は、日本語とは異なる独自の言語なのだ。

春日さんは、生まれつき耳が聞こえないろう者。音のない世界で生きる彼にとっての「言葉」は、目で見て分かる「日本手話」だ。これは、手の動きだけでなく、顔の表情や肩の動き、空間などを使い、独自の文法がある。

耳が聞こえない妻や親とは日本手話でやりとりする春日さんだが、手話だけを使って生きているわけではない。耳が聞こえる2人の子どもの父親であり、自宅で民泊を経営。聞こえる人との会話では、口の動きを読み取る「口話」を主に使う。しかし、それには限界もある。

ろう者にとっての言葉=手話。しかし、1990年代まで、手話はろう教育の現場でも使用が禁止されていた。今も聞こえる人が中心の社会で、十分に理解が広がっているとは言えない。北海道では、「日本手話」で授業を受けられなくなったと、ろう学校の児童2人が裁判を起こす問題も起きている。

春日さんが「世界で一番きれいな言葉」という手話。まずは、ろう者のことを、そして彼らの大切な言葉=手話のことを知ること、触れることから始めたい。番組では、耳が聞こえない人にも伝わることを目指し、字幕と手話を付けて放送する。手話通訳を担当するのは、小樽出身の善岡修氏。ナレーターはHTBの森さやかアナウンサー。

なお、2月3日午後1:00からは春日さんを招いたイベント「“音のない世界” 私はこう生きてきた」をHTBの1階onちゃんテラスで開催する(手話通訳あり、観覧無料、事前申し込み不要)。春日さんはろう学校を卒業後、27の資格を取得し、世界1周する旅も経験。JAXA宇宙航空研究開発機構に3年勤め、これまでなかった宇宙用語の手話を考案するなど多彩な経歴を持つ。「聞こえなくてもできる」――常に笑顔を絶やさない春日さんの話から、「聞こえる」「聞こえない」に関係なく、誰もが勇気をもらえそうだ。

また、今も現地で多くの人が避難生活を続ける能登半島地震に関連し、災害が起きた時、耳が聞こえない人たちにとって必要な支援とは何かについても考える。

© 株式会社東京ニュース通信社