ファイザー第4四半期は予想外の黒字 主力薬売上高は苦戦

Michael Erman Bhanvi Satija

[30日 ロイター] - 米製薬大手ファイザーが30日発表した2023年第4・四半期決算は、調整後1株当たり損益が0.10ドルの黒字だった。LSEGのデータに基づくアナリスト予想平均は0.22ドルの赤字だったが、コスト削減の取り組みや、新型コロナウイルス感染症治療薬「パクスロビド」の需要が想定を上回ったことなどがプラスに働いた。

売上高は142億5000万ドルで、アナリスト予想の144億2000万ドルには届かなかった。

主力薬では、乳がん治療薬「イブランス」がライバル製品との競合にさらされ、売上高が12.6%減の11億2000万ドルにとどまり、アナリスト予想の12億3000万ドルを下回った。肺炎ワクチンの「プレベナー」の売上高も16億1000万ドルと、予想の20億ドルに達しなかった。

このため市場関係者の間からは、ファイザーの新型コロナウイルス関連以外の事業動向の先行きを懸念する声も出ている。

一方でファイザーのアルバート・ブーラ最高経営責任者(CEO)は、今後は新薬の成長を促すための効率的な経営構造確立により力を注ぐ考えを示した。

同社は24年については、調整後1株当たり2.05─2.25ドル、売上高585億-615億ドルという従来の見通しを据え置いた。

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