長崎・仁田佐古地区 防災士の松本さん「出前講座」 災害時の備えと料理など学ぶ 

「日常と非日常を区別しない『フェーズフリー』で考えよう」と呼びかける松本さん=長崎市、仁田佐古地区ふれあいセンター

 災害から命を守る日ごろの備えを楽しくおいしく学ぶ-。長崎県長崎市稲田町の仁田佐古地区ふれあいセンター(柿田修也所長)は30日、自主講座「防災エコクッキング」を開いた。講師を務めた県環境アドバイザーで防災士の松本由利さん(66)=同市=は、「日常と非日常を区別しない『フェーズフリー』で考えよう」と呼びかけた。
 前半は講話、後半は災害時を想定した調理実習があり、地区内の民生委員や婦人防火クラブの役員ら計16人が参加した。
 松本さんは「ごみを出さない、最小限の物で暮らすエコライフが自分の命を守ることにつながる」と説明。食品を多めに蓄え、使ったら買い足す「ローリングストック」などを紹介した。その上でライフサイクルを分析して自分に必要な物をいつでも持ち出せるよう準備しておくことや、暮らし方を見直して小さなことでも続ける重要性を説いた。
 調理実習では、食材をビニール袋の中で混ぜ、皿を敷いた鍋に入れてゆで、炊き込みご飯と蒸しパンを作った。参加した深沢雅恵子さん(74)は「鍋の中にビニール袋を入れるという発想はなかった。いざとなった時にできるかなと思っていたが、実際に体験できてよかった」と話した。
 松本さんの「出前講座」を希望する場合は、県地球温暖化防止活動推進センター(電070.4346.5602、平日)に問い合わせを。

調理した炊き込みご飯と蒸しパンを牛乳パックの皿に取り分ける参加者=長崎市、仁田佐古地区ふれあいセンター

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