意外と知らない【卵の選び方】白玉・赤玉の違いは?実はSとLで黄身の大きさはほぼ同じ!?

冷蔵庫を開けるとそこにほぼ?必ず?存在すると言っても過言ではない「卵」。そんな「卵」を選ぶとき、何を基準にしていますか?白や赤の色?S・M・L・LLなどのサイズ?そもそも、色が違う理由は何なのか、サイズは大きいほうがお得なのか…。実は知らないことが多い「卵」について、調べてみました。

卵のサイズの違い。大きいほうが黄身も白身もたっぷり?

たんぱく質や脂質、ビタミン、ミネラルなど、いろいろな栄養素を含み「完全栄養食」とも言われている「卵」。

卵を選ぶ基準はみなさん様々だと思いますが、サイズで選んでいるという方も多いと思います。卵のサイズは、S・M・L・LLとありますが(養鶏場によってはSSやSM、2Lサイズなども)、そのサイズの違いは実は、「卵を産むニワトリの年齢の差にある」とのこと。

・生後4ヵ月~5ヵ月の鶏が産む卵…Sサイズ
・生後6ヵ月~1年の鶏が産む卵…Mサイズ
・生後10ヵ月~2年の鶏が産む卵…Lサイズ
・生後1年半以上の鶏が産む卵…LLサイズ

鶏が成長して体が大きくなるにつれて大きいサイズの卵を産むんですね、なるほどなるほど~なんて思っていたら、実はそういうことではないのだとか。鶏の体格自体は、生後4ヵ月でも生後1年半以上でもさほど変わりはないそう。

鶏の卵管の太さでサイズが変わる!

鶏の体の大きさに差はないなら、なぜ卵のサイズが違うの?それは「卵管の太さ」にありました。

【卵黄(卵の黄身)が卵管を通って下りてくる→その途中で卵白が分泌されて卵黄の周りに白身が付着→排出されるタイミングで卵殻膜ができて卵殻が形成される→完全な卵となって産卵(放卵)】

これが鶏が卵を産むメカニズムです。卵はまず黄身の部分から作られるんですね。

このメカニズムから分かる通り、そもそもの黄身の量は変わらず、鶏が成長して卵管が太くなると白身の量が増えて、その白身の量の差が卵のサイズの違いになります。

料理によって卵のサイズを使い分けて

サイズによって価格も変動するので、その価格の差も白身の量の違いということに。黄身より白身派!な人はLLサイズを買って、白身たっぷり卵を堪能するのもいいかも。

作る卵料理によって使い分けるのも◎。目玉焼きやたまごかけごはん、ゆでたまごなどは黄身の比率が最も多いS、茶碗蒸しやプリン、ケーキなど、生地のふわふわ感を出したいときは白身が多いLやLLが適しています。

因みに、卵をパカッと割ると黄身が2つの「双子ちゃん♡」に出会ったことはありませんか?これは、本来Sサイズを産む若い鶏がMやLサイズの卵「二黄卵」を産むことがごく稀にあるそうです。品質的には問題がないので、おいしく調理していただいてくださいね。

「白い卵」と「赤い卵」で何が違う?

卵のサイズの他、色についても気になったことはありませんか?

スーパーに陳列されている「卵」には、殻が白いものと赤いものがあります。「白玉」「赤玉」と呼ばれていますが、なんとなくですが、赤玉のほうが白玉より価格が上の場合があるし栄養価が高いのかな?と筆者は思っていました。

実はこの卵の殻の色は、卵を産む鶏の種類で決まるそう。白い羽をした鶏は白玉を産み、茶色い羽根をした鶏は赤玉を産みます。栄養面は、種類が別の鶏に同じ飼料を与えた場合、違いはないとのこと。

【日本の養鶏業界でメジャーな鶏種】
・白玉を産む鶏…ジュリア、ジュリアライト
・赤玉を産む鶏…ボリスブラウン

ピンクの卵やブルーの卵も!

因みに、白玉や赤玉以外にも、ピンク玉と呼ばれる卵もあります。ピンクの卵は白玉鶏と赤玉鶏を掛け合わせた鶏種が産む卵で、ピンク玉の中でも、日本国内で育種改良された純国産鶏「ゴトウさくら」が産んだきれいなさくら色の卵は、「さくら卵」という名称で販売されています。

チリ原産の鶏「アローカナ」からは、薄い水色の殻をした卵が産まれます。産卵時期が不定期なこと、一般的な卵より栄養価が高く、美容や健康にいいとされていることから「幸せの青い卵」と呼ばれているのだとか。価格もお高めですが希少な卵なので、一度はその色の美しさを愛でて食べてみたいですね。

価格に差があるのはどうして?

白玉や赤玉は、卵を産む鶏の種類で決まることが分かりました。栄養面にも違いがないのなら、どうして白玉より赤玉のほうが値段が高い場合があるのでしょうか?

それは、赤玉を産む鶏は白玉を産む鶏より「エサを食べる量が多い」「産卵量が少ない」といった理由が挙げられます。同じ1㎏のエサを食べていても、産む卵の量が少ないとその分価格は上がりますよね。

ですが最近では、鶏の品種改良が行われた結果、価格の差も少なくなってきているそうです。

サイズや赤玉・白玉の違い、パッケージに書かれているその卵が最もアピールされている栄養面や作る予定の卵料理、メーカーや生産者さん情報などもチェックしながら、卵を選びたいですね。

まとめ/片桐理恵

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