群馬・前橋市長選ルポ 公約の3本柱を訴える山本龍氏 小川晶氏は遊説で知名度アップ図る

【写真右】選挙カーから手を振って支持を訴える山本氏=30日午前11時20分ごろ、前橋市鳥取町のJA前橋市芳賀支所【写真左】通勤時間帯に沿道に立ち、行き交う車に手を振る小川氏=30日午前7時50分ごろ、前橋市野中町の国道50号野中町交差点

 現新一騎打ちとなった前橋市長選は、ともに無所属で4選を目指す現職の山本龍氏(64)=大手町=と、新人で元県議の小川晶氏(41)=前箱田町=が論戦を繰り広げている。4日の投開票に向け、30日は遊説や集会で有権者に支援を訴えた。

公約の3本柱を訴え 山本氏

 「次の4年で総仕上げをしてみんなに喜んでもらいたい」。30日午前11時、芳賀地区で開いた山本氏の集会。公約の3本柱に掲げる高齢者と子育て世帯への物価高対策給付金、市長給与50%カット、給食費・保育料完全無償化を説明し、声をからして支持を呼びかけた。

 午後6時から開いた農業関係者らの総決起大会では、山本一太知事をはじめ地元選出の国会議員、県議らも登壇し、国、県、他自治体とのパイプの太さや実績を強調。山本氏は「この流れを止めないで進めよう」と市政継続を訴えた。

 市議36人のうち、26人からなる支援市議団を結成。連日市内をきめ細かく回り、有権者に直接声を届けたいと15分ほどと短い時間でも車から降りる。29日は20カ所以上で街頭演説を行った。地区集会や業界団体ごとの決起大会のほか、活動の様子はSNSに投稿し、若者層への浸透も図る。

遊説で知名度アップ図る 小川氏

 まだ空気が冷たい30日午前7時半。野中町の国道50号沿いで、ピンクのベンチコート姿の小川氏が、往来の車に手を振っていた。手を振り返す人、ライトやクラクションで応援の意を示す人には、一層の笑顔で応じた。

 政党から推薦を受けない「市民党」を掲げ、選挙事務所内は絵ビラの代わりに市民の寄せ書きを飾る。大規模な集会はほとんど開かず、遊説を中心に知名度アップを図る。

 同8時過ぎ、「前橋初の女性市長誕生を!」と記したカラフルな選挙カーに乗り込み、永明、城南、桂萱の各地区を回った。農作業中の人を見つけると、車を降りて畑の奥に駆け付け、手を握った。「私も農家の娘。前橋の農業を元気にします」。住宅地では「完全無所属だからしがらみがない」と強調。「クリーンな市政」「子育て支援、福祉の充実」も訴えた。

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