プロ野球大好きコンビが語り尽くす オレ流キャンプの楽しみ方 希望強めの順位予想も

野球談議で盛り上がる漢那邦洋さん(右)と金城晋也さん=2024年1月、那覇市・沖縄タイムス社

 自他共に認めるプロ野球ファンであるラジオパーソナリティーの漢那邦洋さんと、お笑いコンビ・リップサービスの金城晋也さんらが出演する野球トークライブ「アウトプットナイター特別編」が2月8日に那覇市のライブハウスOutputで開催される。
 2017年からこれまでに10回開催している恒例イベントで、今回はゲストに歌手の河野万里奈さんを迎えての特別編。イベントを前に、プロ野球の昨シーズンの振り返りや今シーズンの見どころ、キャンプの楽しみ方などを聞いてみた。2人そろって熱狂的な中日ファン。我慢できない中日愛も随所でほとばしる。(フリーライター・長濱良起)

昨シーズンのプロ野球を一言でいうと

 -昨シーズンを振り返ってみて一言で表すと?

 金城晋也「貧打です。中日が貧打にあえいだこともそうなんですけど、プロ野球全体で見ても、3割バッターがすごく減りましたよね」

 漢那邦洋「そうね。昨シーズンは本当に少なかったよね」

※3割打者はセ・リーグの宮﨑敏郎(DeNA)西川龍馬(広島)サンタナ(ヤクルト)、パ・リーグの頓宮裕真(オリックス)近藤健介(ソフトバンク)の計5選手

 金城「前までは3割打ったら『一流』だったのが、今ではもう『超一流』ぐらいの感じ。パ・リーグのホームラン王も(2022年の41本に対して)26本でした。ピッチャーのレベルが高いんですかね」

 漢那「160キロ近く投げる投手がたくさんいるから、バッターも大変だと思うよ。マウンドの位置をあと30センチぐらい下げてもいいんじゃないかなって思うぐらい」

 金城「メジャーリーグは守備シフトを禁止にしたりとか、ピッチクロックを導入したりとか、結構変わっていってますけど、日本はなかなか変わらないですよね」

 漢那「ただほとんどの場合で、アメリカの何年後かに日本も同じようなルールを取り入れているから、ピッチクロックに近いものは採用されるんじゃないかな」

 

 -漢那さんは「不甲斐(ふがい)ない」と挙げていますが。

 漢那「中日が歴史的ともいえる弱さを見せてしまって。昨シーズンは球場に9回見に行ったんですけど、9回負けていますから」

 -お二人が中日ファンであるゆえんは何ですか?

 漢那「子どもの頃から落合博満さんが好きで。落合さんが中日の監督になった2004年からドラゴンズファンです」

 金城「小学2年生からファンです。現監督の立浪和義さんが、テレビのバラエティー番組に出ていて面白かったんですよ。それで立浪選手のことを調べたらドラゴンズで。子どもってドラゴンとかそういうの好きじゃないですか? それからです」

今シーズンの注目は「SDGs」と「新戦力」

 -今シーズンの注目ポイントは何でしょうか?

 

 漢那「毎年のことなんですが、新戦力っていうのが、やっぱり順位に大きく影響してきます。ことしは主力が抜けたチームも多くて、戦力や図式がかなり変わっている年になるかと。若手でも移籍選手でも、これまでいなかった力が1人でも2人でも活躍するチームはかなり上位に行けると思っています」

 金城「新戦力に注目という話と基本的には同じなんですが、ことしは『戦力外になった選手が他の球団に拾われる』というのがとにかく多いです。これまでは戦力外選手が集まって合同トライアウトをしても、他の球団に所属できる例は1人か2人とかだったのが、今回は中日だけでも4人ぐらい採ってますからね。さらに、(2022年シーズンオフから導入された)現役ドラフト制度もありますし、外国人選手を海外から新規に採るのではなく、日本国内の他球団から採るということがトレンドになっています。それらのことを考えると『取りこぼさない』という意味でSDGsと書かせてもらいました」

沖縄出身選手のここに注目!

 -注目の県出身選手は誰ですか?

 

 漢那「西武の與座海人投手が大好きです。緩急を使った投球術でバッターをかわしていくというピッチャーに魅力を感じています。去年はしっかり活躍して、先発ローテーションにも入って。アンダースローでしっかり投げ切れるピッチャーがようやく出てきたなという感じです。テレビの収録を機に仲良くさせてもらっているのですが、いつでもインスタグラムのDMの返事をくれるところも大好きです」

 金城「これはもう、私情も入るんですけど、(同郷である石垣島出身の)西武・平良海馬投手に注目ですね。平良投手は中継ぎでもバリバリ実績を残している中で、球団に対して先発で投げたいと要望して、昨年は先発でも実績を残して周囲を納得させました。この経験がある中での先発2年目でどんな成績を残してくれるのか楽しみです。まだまだやってくれそうだな、と」

 漢那「うわさによると、バッティングがめちゃめちゃ良いらしいよ」

 金城「八重山商工高時代にすごいスイングをしていて、野手でもプロに行けたんじゃないかなと思います。交流戦だと平良投手のバッティングが見られますね」

 漢那「オリックスの宮城大弥投手も、実績は抜群で安定感があります。WBC日本代表の試合を現地で見たんですけど、球数制限がある中で無駄なことをせずにしっかり5イニングを投げ切って、他のピッチャーにも良い影響を与えたと思います。3年連続2桁勝利と日本シリーズでも登板しましたし、クレバーなピッチングは見ていて本当に楽しくて、応援したくなるピッチャーですね」

 金城「同じく石垣島出身で今シーズンからヤクルトに所属する嘉弥真新也投手。あの左の癖のあるピッチャーは、セ・リーグのバッターにとっては嫌でしょうね。春季キャンプを浦添で見られるので楽しみです」

セ・リーグ1位予想 希望は「中日」 本音は「阪神」

 -今シーズンのセ・リーグ順位予想ですが、2人とも1位予想は中日ですね。

 漢那「これ、半分以上希望です」

 金城「希望です。シーズンが始まるまでの期間はポジティブにいきたいですよね」

 

 漢那「この20年間で、ドラゴンズの史上最高の黄金期と史上最低の低迷期を両方見ているんですよ(※昨季の中日は6位)。だから、もうそろそろやってくれるだろうというところと、立浪監督が3年目になので、なりふり構わずやってくるんじゃないかと。ことし結果を出さなかったら正直、交代になると思うので」

 金城「そうですよね。間違いないと思います」

 -そして、漢那さん、金城さん共に2位予想は昨季日本一の阪神です。

 金城「いや、もう盤石じゃないですか」

 漢那「岡田彰布監督がいる間はずっと強いよね」

 金城「本音では1位は阪神」

 漢那「一緒、一緒。やるべきことを選手が分かっていて、ちゃんと監督の考えが浸透しているというか」

 金城「選手の年齢層も若いですよね。戦力は(昨シーズンから)変わっていないけど、変える必要がなかったんでしょうね。本当に強い。隙がないです」

パ・リーグ1位予想は「日ハム」「ロッテ」

 -漢那さんは1位予想が日本ハム。どうしてですか?

 漢那「セ・リーグで中日を1位に挙げた理由と同じです。日ハムも連続最下位で、ことし結果を出せないと新庄剛志監督は交代になる可能性が高い。そんな中でことしは補強に大成功しています。球団としての補強の仕方を見ていたら、本気度を感じます」

 -金城さんはロッテが1位予想ですね。

 金城「ロッテはですね、佐々木朗希投手がメジャーに行きたがっていることが理由です。メジャーに行くために日本で結果を残そうと必死になった時の佐々木朗希はやっぱりすごいのではないかと」

 

 -なぜ昨シーズンで2位に15.5ゲーム差を付けてぶっちぎったオリックスは3位止まりだと思うのでしょうか?

 

 漢那「まず、山本由伸投手が抜けたというのがかなり大きいです。3年連続のMVPで、日本一のピッチャーですから。投げたらほぼ勝つというピッチャーが1人いると、連敗を止められるので、その軸がいなくなったというのはかなり大きな痛手です」

 金城「山本投手がいたら、中継ぎ投手も休めますもんね」

 漢那「打つ方はある程度打つと思うんです」

 金城「山本投手が抜けても3位予想ですから、評価自体は高いです」

 漢那「山下舜平大投手もいるし、宮城大弥投手もいるし」

 金城「中嶋聡監督の手腕があるので、そこまで順位を落とさずに済むと思います」

オレ流キャンプの楽しみ方!

 -2月からプロ野球春季キャンプが始まります。「こうやって楽しむんだ!」みたいなものがあれば教えてください。

 金城「キャンプ観戦という言葉がありますけど、観戦ではなく、僕は視察だと思って行っています。『視察に行く』と意識するだけでも、ピリっと引き締まりますよね。中日ファンとして他球団の戦力をスコアラー目線でくまなく見ています。戦力が初めてそろうのが春季キャンプですからね」

 漢那「もうわれわれは、プロ野球のオールドファンと呼べる年齢になっているんですよ。もちろん現役選手を見るのも楽しいのですが、コーチを見てテンションがすごく上がります。例えば、中村紀洋さんが中日のバッティングコーチに来ていたことがあって、その時のお手本が誰よりもうまいわけ! そんなコーチ陣がちょっとお手本を見せるその時を見逃さないでほしいです。めっちゃうまいです」

2月8日「アウトプットナイター」集まれ野球ファン

 -アウトプットナイターの見どころを教えてください。

 漢那「沖縄は各地でキャンプをやっているので、いろんな球団のファンがいます。なので、特定の球団ではなくて、プロ野球全体を楽しみましょうというイベントなんですよ。これまで10回ほどやっていて、コロナ禍もあって中断していたんですけど、今回再開する理由の一つが、一緒にしゃべるのが(金城)晋也だからです。野球における知識や考えが深いし場を面白くしてくれるので、その点で信頼しているのは晋也か初恋クロマニヨンの(松田)しょう、アイモコのモコさんぐらい」

 金城「野球ファンが集まって語る機会はなかなかないので、それぞれひいきチームのユニホームを着て参加してほしいです」

 漢那「ゲスト歌手の河野万里奈さんが、12球団の応援歌をメドレーで歌ってくれます。野球に本当に詳しい方です」

 金城「県外から沖縄にキャンプを見に来て、午後から時間を持て余している方もぜひ気軽に遊びに来てほしいです」

〈アウトプットナイター特別編〉

2024年2月8日(木)
開場19時 開演19時半
前売り2000円(1ドリンク別)
出演 漢那邦洋、金城晋也(リップサービス)、河野万里奈
メール予約 outputticket@gmail.com

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