鹿児島県西之表市馬毛島の米軍機訓練移転と自衛隊基地整備で、防衛省は30日、島東部の葉山漁港で進めていたしゅんせつ工事が27日に完了したと明らかにした。同港は資材搬入の入り口の一つで、輸送の強化へ整備が着々と進んでいる。
しゅんせつは2022年8月に着手。23年1月、基地本体工事に伴う一時中断を挟み、干潮時の水深が3メートルになるよう、港から300メートル沖まで幅34メートルの範囲を掘り下げた。港の陥没箇所なども改修した。
今春には、より大規模な運搬が可能になる仮設桟橋も完成予定で、基地工事はさらに加速する見通し。
葉山漁港のしゅんせつは、種子島漁協が21年、漁の安全確保を理由に市を通じて防衛省へ要望した。港を管理する市は22年3月、同意する旨を同省に回答。県は同7月、防衛省の工事申請を許可した。
申請時は基地の環境影響評価(アセスメント)の手続きの途中で、当時、塩田康一知事は基地への賛否判断も示していなかった。同省は、しゅんせつは基地整備とは別で、国有地の管理用道路工事の一環と説明し、県も踏襲した。「基地工事に直結する」として、県に不許可を求める要望などもあった。