たった1台。乗れたら幸運かも!? 現役高校生アーティストが描いたポップな抽象画に囲まれる路線バスが話題

佐藤さんが天井に抽象画を描いた路線バス。岡山駅―西大寺間を運行する

現役高校生アーティストの岡山学芸館高3年佐藤月菜さん(18)が天井に巨大な絵を描いた路線バスが岡山市内を走っている。インスタグラムへの作品投稿から活動の幅を広げ、初めて仕事として手がけた。丸や三角、曲線をちりばめた色鮮やかでポップな抽象画が車内に明るい雰囲気をもたらし、乗客にひとときの癒やしを届けている。

岡山駅―西大寺間を運行する両備バス西大寺営業所の車両1台。公共交通の魅力向上を目指す両備ホールディングス(岡山市北区下石井)が乗客に楽しんでもらおうと病院の壁画制作などの実績がある佐藤さんに依頼した。

バスの天井に絵を描く佐藤さん

長さ8・85メートル、幅0・9メートルの天井に昨年11月、4日間かけ創作した。積み木をモチーフにした三角や四角の模様をグレーのペンキで配し、上から青の線や点を塗って花を表現。最後に花粉や光をイメージしたオレンジを重ねている。

同ホールディングスによるとバスの天井に絵を施すのは初の試みで「アートで車内が楽しい空間になった。20年ほど走る車両なので地域に親しんでもらえたら」と担当者。佐藤さんは「バスを見た瞬間にデザインが浮かび夢中で描いた。自分の作品が長く残るのはうれしい。乗らないと分からないので幸運のバスとして楽しんでほしい」と話す。

路線バスの天井に広がる抽象画と佐藤さん(提供写真)

「ルナトラ」のアーティスト名で活動し、卒業後は英国へのアート留学を目指す佐藤さん。「ファッションブランドのデザイナーとして活躍するのが夢。いろんな世界を見て刺激を受け、引き出しを増やしたい」と将来を見据えている。

天井アートバスは岡山駅―西大寺間で稼働する23台のうちの1台。運行時刻は日ごとに変わる。問い合わせは両備バス西大寺営業所(086―943―3833)。

(まいどなニュース/山陽新聞)

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