大洗-苫小牧航路 LNGフェリー2隻導入 商船三井 デザインも刷新

大洗-苫小牧航路で運航されるLNGフェリーのデザインイメージ

大洗-苫小牧間のフェリーを運航する商船三井(東京)は、同航路で環境に優しい液化天然ガス(LNG)燃料を使ったフェリー2隻を導入する。2025年の就航を目指して建造を進めており、今年4月に第1船の進水を予定する。船体のデザインも決めた。

フェリーはグループ会社の商船三井さんふらわあ(同)が運航する。新造船のデザインは、豊かな海と空の青色を強く打ち出し、「夜明けの海」と「新しい時代を照らす光」をイメージした。

新造船は全長が既存船よりも9メートル長い199メートル。総トン数は同4200トン多い約1万5600トン。旅客定員は157人。積載できる車は乗用車50台、トラック155台。船名は未定。

トラックの積載スペースを広げるとともに、客室を全室個室にする。運送業の「2024年問題」に対応し、運転手が快適に過ごせる場を提供する。

重油よりも環境負荷が小さいLNGを使い、既存船に比べ二酸化炭素(CO2)排出量を約35%抑える。

就航に当たり、既存の「さんふらわあ だいせつ」「さんふらわあ しれとこ」から代替わりする。

LNG使用船は、普及する機運が高まっている。国際海事機関(IMO)は、外航船が排出する硫黄酸化物(SOx)濃度の上限を大幅に引き下げる規制を強化。SOxをほとんど排出しないLNG燃料に切り替えが進みつつある。商船三井は23年に2隻を就航し、新造船を加え4隻となる。

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