カリフォルニア州の排出量開示義務撤回求め提訴、米商工会議所など

Clark Mindock

[30日 ロイター] - 米商工会議所(USCC)や農業連合会(AFBF)など経営団体は30日、企業に温室効果ガス排出量と気候関連の財務リスクの公表を義務付けた新たな包括的な米カリフォルニア州法の撤回を求め、ロサンゼルスの連邦地裁に提訴した。

同州法はニューサム知事(民主党)が2023年に署名して施行された。

USCCなどは訴えの中で、同州法は事業活動に「巨大な」コストを押し付け、情報開示の強制は憲法で定める言論の自由に反していると強調。また排ガス規制を連邦当局の専権事項と定めた大気浄化法に反しており、無効だと指摘している。

USCCのエグゼクティブディレクター、トム・クワッドマン氏は声明で「他の州がカリフォルニア州と反対の方針を選ぶ可能性があり、企業と投資家は政争に巻き込まれる」などと問題点を挙げた。

州法では、州内で事業を展開し、年間の売上高が10億ドル以上の官民企業は26年以降、炭素排出量について詳細な報告書を公表しなければならない。自社が排出する分に加え、サプライチェーン(供給網)全般にわたる「スコープ3排出」も公表する必要がある。売上高が5億ドル超の場合、気候関連の財務リスクとリスク軽減策の開示が義務付けられている。

米証券取引委員会(SEC)は現在、連邦レベルで同様の排出量開示規則を計画しており、策定は詰めの段階。22年に公表された草案はスコープ3を含む内容だったが、SEC幹部らは内々に、こうした間接的排出を開示義務付けの対象から除外する可能性を示している。

米アップルやイケア、マイクロソフトはカリフォルニア州法を支持している。

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