伸び盛りの声楽家 鈴木心毬(芸術緑丘高校1年) 【大分県】

感情を音に乗せ、透き通った声で観衆を魅了する。芸術緑丘高校音楽科声楽専攻の鈴木心毬(1年)は、声楽を専門的に学んだのは高校からだが、昨年8月の第73回県高校音楽コンクール声楽部門でグランプリに輝いた。同10月の第77回滝廉太郎記念全日本高校声楽コンクールで2位、同11月の第47回全九州高校音楽コンクールでグランプリとなり、一気に注目を集める存在となった。

鈴木を指導する非常勤講師の後藤秀樹氏は、「感性豊かで、声に彼女の思いを伝えることができる。大舞台でも緊張せずに力を発揮できることもすごい」と絶賛する。

4歳からピアノを習い、ミュージカルに憧れ、人前で歌うことに興味を持つと、次第に声楽への興味が高まった。本格的に学びたいと思うようになり、声楽専攻のある芸術緑丘への入学を決めた。「思っていた通りの学校だった。レベルが高く、毎日のレッスンが楽しい」と充実した日々を送る。

全九州高校総合文化祭で独唱した

昨年12月に大分市で行われた全九州高校総合文化祭では、オープニングに登場して独唱した。鈴木は「緞帳(どんちょう)が上がって観客の多さに驚いたけど、すごく気持ちが高ぶった。満足できる歌を届けることができたと思う」と見事な歌唱力を披露した。

今後はコンクールに出場しながら、自らの表現を高めていく。鈴木は「中学まで好き勝手に歌っていたので、声楽的な歌い方にシフトチェンジしている段階。今は声楽の基礎や歴史などを学んでいるが、難しいことが多くて大変」と、そんな嘆き節さえ、楽しげな響きが混じる。「経験を積み、表現の幅を広げ、音楽家になりたい」と前を見据えた。

「音楽家になることが目標」と語った

(柚野真也)

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