「田中さん」脚本問題「繊細じゃない表現者なんていない」エヴァ作詞家がテレビ制作側とのやりとり公表

「残酷な天使のテーゼ」や「淋しい熱帯魚」の作詞で知られる作詞家の及川眠子氏が30日、自身のX(旧ツイッター)を更新。話題になっているドラマ「セクシー田中さん」の脚本問題に関連し、作詞・作曲に関しても業界へ警鐘を鳴らした。

及川氏は「先日も某番組が『残テ(残酷な天使のテーゼ)の歌詞には特に意味がない、でいいですよね?』と聞いてきたので、意味のない詞は書かん!と説明を入れた長いメールを返したら『番組の尺の都合でその話はなくなりました』との返事」と制作サイドとのやりとりを明かした。「おそらくうるさい作詞家だと思われたんだろう。いいさ、自分を守るためにもうるさくいてやる」と自身のスタンスを貫くことを宣言した。クリエイターとして、自身の解釈と違う説明を付け加えられることは許せないようだった。

今月26日には「セクシー田中さん」原作の芦原妃名子さんが原作準拠などの条件付きでドラマ化をOKしていたが、「毎回、漫画を大きく改編したプロットや脚本が提出されて」いたとSNSで公表。最終的に9、10話は芦原さんが自ら脚本を手がけたことを明かし、反響を呼んでいた。その後、28日に該当する投稿を削除してブログを閉鎖。29日には芦原さんの訃報が伝えられた。

及川氏は訃報が伝えられた直後の29日にも、Xで「何も死ななくていいのに、繊細すぎ、メンタル弱すぎ、ってそんな言葉で嘆く人いるけど、繊細じゃない表現者なんてこの世にはいない。繊細だから物を生み出せるのだ。残念がりながら相手を批判してる、それもある意味では匿名の悪意だと、私は思う」と投稿。表現者のメンタル面について私見を述べていた。

(よろず~ニュース編集部)

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