被災者ら「避難所ガチャ」と嘆き 食事や設備、支援に格差

石川県珠洲市の避難所=31日午後

 能登半島地震の避難所では、食事や設備に格差が生まれ始め、待遇の劣る環境で暮らす被災者にとってはストレスになっている。政府や石川県が推進する旅館やホテルへの「2次避難」を巡っても、どの施設に割り振られるか不確かな場合が多く、支援の濃淡に避難生活が左右される事態に。SNSでは、当たり外れがある状況を「避難所ガチャ」と嘆く書き込みも見られる。

 県は1月8日、2次避難前の一時的な受け入れ先として「いしかわ総合スポーツセンター」(金沢市)に避難所を開設。身を寄せる人の増加により、約600メートル離れた「石川県産業展示館2号館」での受け入れが開始した13日以降は、要支援者らが優先的にセンターに割り振られてきた。

 県はいずれの施設でも市販のパンやおにぎりを任意で食べられるように提供しているが、支援団体による炊き出しや、生活再建に向けた公的支援制度について弁護士らと話せる無料相談所はセンターに集中している状況。展示館で暮らす輪島市の40代女性は「隣なのにこんな格差があるとは…」と肩を落としていた。

「いしかわ総合スポーツセンター」でテントが並ぶメインアリーナ。ボランティアが床の清掃に当たっている=17日、金沢市

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