犬が大怪我をしてしまう『室内環境』3つの共通点とは?絶対に見直すべき場所と安心できる環境づくりとは?

犬が室内で負いやすい怪我とは

かつてとは違い、犬の多くが室内で飼育されるようになったことから、玄関先や庭につながれていた頃にはあまり多くなかった、室内飼育の犬独特の怪我が増加している、と言われています。

では、犬が室内で負いやすい怪我を挙げてみましょう。

  • 骨折
  • 脱臼
  • 火傷
  • 噛み傷や切り傷

どの怪我も、可能なら避けてあげたいものです。しかし、このような怪我を負いやすい室内環境には、いくつか共通点があります。

そこで今回は、犬が大怪我をしてしまう「室内環境」の共通点について解説したいと思います。絶対に見直すべき場所と安心できる環境づくりについても合わせて解説します。

犬が大怪我をしてしまう「室内環境」の共通点

室内は安全だと思われがちですが、実は室内だからこその危険な場所が、室内にはいくつか存在します。しかもその環境は、犬を飼うご家庭に意外と共通していたりもするようです。

では、犬が大怪我をしてしまう「室内環境」の共通点には、具体的にどのようなポイントが挙げられるのでしょうか。

1.滑りやすい

現在の家屋は、多くの床がフローリングになっており、とても滑りやすい素材が敷かれています。

フローリングの床はお手入れがしやすく、人間が住むには快適であることが多いのですが、このフローリングが犬の足にとっては滑りやすく、とても危険なものなのです。

四肢が踏ん張れない、ジャンプして着地の時に滑る、走るときにブレーキが利かないなど、滑りやすい床には犬にとってのデメリットがいっぱいです。この床で無理に踏ん張ろうとすれば関節に大きな負荷がかかり、膝や股関節の脱臼につながる危険があるのです。

このような床の場合、お手入れやお掃除の手間はかかりますが、犬が滑りにくいフロアマットを利用することも検討してください。また最近では、フローリング材そのものが、犬が滑りにくいようになっているものも。予算があれば犬のいるエリアは、そのような素材に変える方法もありですね。

2.高い段差がある

犬は多少の段差であれば、ひょいひょいと登ったり降りたりすることができます。しかし、あまりその段差が多かったり、高さがある場合には注意が必要です。

犬の胴体はやや長く、段差の上り下りで腰が反ることでヘルニアになってしまう危険があります。また高い段差を飛び降りることで足に負荷がかかり、特に骨が細い小型犬の場合は骨折することがあります。また、足を踏み外して落下するという危険もあります。

さらに、階段は板張りのままであることが多く、こちらも大変滑りやすいため注意が必要です。

いずれも犬の体格と段差の高さをよく考え、必要であればスロープや補助階段などを利用して、なるべく飛び降りや腰の反り返りを防いであげることも検討してあげましょう。

3.留守番の時にフリーにしている

犬をお留守番させる際、「ケージやサークルの中に入れっぱなしにしてはかわいそう」という方も多いでしょう。

しかし、リビングや家の中を自由にさせて留守番をさせるのは、犬にとっては危険であるとも言えます。

お留守番をしている最中、子犬に限らず時間を持て余して、ついついいたずらをしてしまうこともありますよね。

そのいたずらの対象が、危険な電源コードであったりプラスチックなど、割れたら固くて危険なものであったりすることも考えられます。さらに誤飲やいたずらの破壊行動の末の怪我は、目の届かないところで起こることが多いのです。

留守中にいたずらされたくないものは、事前に犬の手の届かないところに片づけることはもちろん、まずは犬をケージやサークルなどの安全なところでお留守番をさせてあげましょう。

ペットサークルの場合はある程度の広さも確保できるため、狭い思いをさせずに済むかもしれません。

また多頭飼育をしている場合は、犬同士がいくら仲が良くても、じゃれあいの中で不意に本気の喧嘩になったり不慮の事故もあるかもしれません。関係性をよく見極めて、一頭ずつそれぞれのケージに入れてお留守番をさせてあげる配慮も必要になります。

まとめ

今回は、犬が大怪我をしてしまう「室内環境」の共通点をまとめてみました。

愛犬を室内飼育をしている場合は、この機会に床の滑りやすさ、段差の高さや数など、愛犬にとって安全な室内環境をきちんと提供できているかどうか、しっかりチェックしてみてください。

またお留守番の際も、愛犬が安心して待てるような環境を用意してあげられるように配慮できるといいですね。

(獣医師監修:平松育子)

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