仙台市のアリオ仙台泉とEDENが最終営業日 専門家は立地に合わせた再開発に期待

仙台市泉区のショッピングセンター、アリオ仙台泉とJR仙台駅西口の商業施設、EDENは31日が最終営業日です。街の人たちからは、惜しむ声や今後に期待する声が聞かれました。

上野比呂企アナウンサー「開店から32年。営業最終日の31日、朝から次々と訪れる人の姿が見られます」

1992年4月に地下鉄南北線の泉中央駅開業に合わせてイトーヨーカドー仙台泉店としてオープンしたアリオ仙台泉は、業績不振を理由に閉店が決まり31日に最終営業日を迎えました。

仙台市民「全ての物がそろってる。泉中央ってすごくにぎやかでしたが寂しくなりますよね」「勤務していた時期はすごく忙しかったです。特にクリスマスとか母の日父の日。寂しいの一言ですかね」「仕事前なんですけど記念にと思ってきました。子どもの好きなフードコートとかもたくさん入っていたので、数日前も来て」「泉中央駅の周辺はマンションや家もあって人口も多いと思うので、生活に役立つというかそれに向けてのショッピングモール的な建ってもらえればいいかなって思います」

JR仙台駅西口の商業施設、EDENは31日で運営会社が全店舗とのテナント契約を終えるため、最終営業日となりました。

宮城県名取市に新店舗をオープンし、6月にアエルでも新店舗をオープンする帽子専門店は、認知度が上がってきたタイミングでのEDENの閉店は少し残念だと話します。

帽子専門店「仙台駅もすごく近いので、全国各地からお客様がご来店されてました。3月でちょうど1年を迎えるところで、お客様からの認知度も上がってきたタイミングではあったのですごく残念な気持ち」

アリオ仙台泉とEDENの2つの商業施設の閉店について、専門家は閉店に至る背景の違いを指摘しそれぞれの立地に合わせた再開発に期待を寄せました。

七十七リサーチ&コンサルティング田口庸友首席エコノミスト「アリオ仙台泉とEDENは偶然閉店時期が重なりましたけれども、閉店に至る背景は全く異なっておりまして」

七十七リサーチ&コンサルティングの首席エコノミスト田口庸友さんによりますと、アリオは泉区の人口減少や渋滞などによる車利用の不便さのほか、郊外の大型商業施設との競争の激化を背景に運営会社が経営判断として撤退を決めました。

一方、EDENの閉店は周辺の旧さくら野百貨店も含め、仙台の顔として大規模な再開発が進む第一歩となり得る前向きな意味合いがあります。

七十七リサーチ&コンサルティング田口庸友首席エコノミスト「東北のゲートウェイがいつまでも開発が進まないことに対する危機感や危惧の声は聞かれていますし、それが今回、第一歩を踏み出すきっかけの動きが見えたということは非常に期待感として大きい」

田口さんは、今回の閉店による仙台経済へのマイナスな影響は限定的だとした上で、今後それぞれの地域に合わせた再開発に期待します。

七十七リサーチ&コンサルティング田口庸友首席エコノミスト「アリオ仙台泉は地下鉄を降りてすぐという立地を考えると、仙台市民が楽しめるようなアミューズメント関係は比較的需要があるかなと」

一方、EDEN跡地の再開発について、仙台駅からやや離れた周辺商店街にも開発の恩恵が波及するような取り組みが重要だと指摘しています。

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