中国、台湾寄りに民間機航路変更 「休戦ライン」中間線形骸化狙い

記者会見する中国国務院台湾事務弁公室の陳斌華報道官=31日、北京(CNS=共同)

 【北京、台北共同】中国の航空当局は30日、台湾海峡の暗黙の「休戦ライン」である中間線に沿うように設定された民間機の航路について、より台湾寄りを飛行するように運用を変更すると発表した。2月1日から実施する。台湾側は一方的な現状変更だと非難し、中国が存在を認めていない中間線の形骸化を狙った圧力とみている。

 変更されるのは台湾海峡上空に設定された「M503」と呼ばれる民間機の航路。台湾メディアによると、中国が2015年に南行きの便について一方的に設定したが、中間線との距離が近すぎるとして台湾側が抗議。その後双方が協議し、中国側に6カイリ(約11キロ)ずらして運用することで合意した。

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