路面電車・岡山電気軌道「環状線化計画」が再始動 市長「路面電車の延伸を考えていきたい」【岡山】

現在、進められている岡山市の新年度の予算編成で、「新アリーナ」とともに注目を集めているのが「路面電車の環状化」に関するものです。

岡山市中心部を走る路面電車は。【画像①】のように「東山線」と「清輝橋線」の2路線に分かれていますが、1月に岡山市が発表した当初予算要求には、昨年9月にオープンした岡山芸術創造劇場「ハレノワ」前に新たな駅をつくり、【画像①】のように「路面電車を環状化」するための調査費が含まれました。

いま、岡山市中心部の環状化計画が再び動き出そうとしています。

清輝橋線・大雲寺前駅~東山線・西大寺町駅の600m結べば「環状化」

岡山市が調査開始を検討しているのが、清輝橋線の大雲寺前から東山線の西大寺町の電停を約600メートル結ぶ路面電車の環状化です。

岡山市北区の千日前地区にある「ハレノワ」の南側に、新しい電停を整備する見込みとなっています。

(佐藤大祐記者リポート)
「現在、ハレノワの最寄りとなっている西大寺町の電停(【画像②】)です。ハレノワまでは、少し離れています」

2020年に「環状化」構想策定→コロナで協議滞り→再び動き出す

2020年に市は「環状化に関する構想」を策定し、当時は「約9億円の事業費がかかる」との試算を出してきました。ただ、事業者である岡山電気軌道の運賃収入が新型コロナの影響で減少し、市と事業者間の協議が滞っていました。

岡山市は、路面電車の利用者数が回復傾向になったことなどを受けて、1月16日に環状化に向けての事業費検討などのため、2500万円の予算を要求。再び計画を前に進めたいと動き出しました。

(大森雅夫岡山市長)
「これから若干時間をかけて、岡山電気軌道さんとお話をして、われわれも一定のサポートをしていきながら、路面電車の延伸を考えていきたい」

「中心市街地の回遊性向上」などを狙うものですが、市民からは…

(周辺の住民)
「ハレノワが出来て、すごく人通りが多くて、やはり駅まで歩くのはすごく遠いと思いますので、もしできたら交通の便がスムーズになると思います」

「駅の電車の乗り入れと一緒で、市民が知らない間に進んでく感じ。環状化の話が過去に無くなっているから、どうかなって思うよね」

長年構想してきた「路面電車の環状化」は実現するのか。今後、市長査定を経て、2月中旬にも当初予算案がまとまる予定です。

© RSK山陽放送株式会社