宗教施設で女性信者にわいせつの元男性幹部に判決 信仰心悪用し常習性認定

大津地裁

 宗教施設で信者の女性にわいせつな行為をしたとして、不同意わいせつの罪に問われた施設の元幹部だった被告の男(76)の判決公判が31日、大津地裁であり、谷口真紀裁判官は懲役2年、保護観察付き執行猶予4年(求刑懲役2年)を言い渡した。

 判決によると、被告は昨年7月21日夜、滋賀県内の宗教施設で当時62歳の女性が、被告の要求に応じなければ宗教行為を受けられなくなるという不安を抱いていたことから、同意していないという意思表明が困難だったことに乗じて、着衣の上から女性の上半身や下半身を触った。

 谷口裁判官は、被告が自身の立場や女性の信仰心を悪用して、宗教行為をする際にわいせつな行為を繰り返していたことがうかがわれるとし、常習性を認定。「精神的な救いを得るために通っていた場所で性被害を受けた苦痛や絶望感は察するに余りある」と非難した。

 一方で、幹部の地位を失い、遠方に移住したことなどから執行猶予とした。

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