令和6年能登半島地震から1か月

By 大脇 桂

2月1日、令和6年能登半島地震から1か月

◆人的物的被害・避難者数・ライフライン被害

・2024年1月1日16:10、M7.6の最大震度7の地震が発生し、北陸地方の広い範囲で大きな被害をもたらした。

・非常災害対策本部によると、2024年1月29日現在、死者236人、負傷者1287人。全壊122棟、半壊1900棟、床上浸水6棟、床下浸水19棟、一部損壊17239棟。地震動による倒壊のほか、液状化による被害、津波による浸水被害が発生している。避難所491か所、避難者数14563人。国と石川県はライフライン被害が長期化していることなどを理由に県内外への2次避難を推奨している。

・北陸電力などによると、一時最大で約4万8930軒の停電が発生した。厚生労働省によると、一時最大で約11万7000軒の断水が発生した。1月30日現在、停電2460軒、断水4万1890軒が継続している。今回の災害では、停電よりも断水の軒数が多いという特徴がみられた。

◆地震情報

・非常災害対策本部によると、2024年1月29日0時現在、震度7:1回、震度6強:0回、震度6弱:1回、震度5強:7回、震度5弱:8回、震度4:45回、震度3:159回。

・1月2日、気象庁は会見で、1月1日23:03に発生した地震で、震度速報で最大震度7と発表した情報について、震度3の誤りだったと発表した。

・1月7日、気象庁は、1月6日23:20ごろ発生したマグニチュード4.3の地震について、震度6弱の発表まで10分以上かかった。気象庁は精査して発表したためとしている。

・1月25日、1月1日16:10の地震において、震度データが入電していなかった3カ所の震度観測点の震度が明らかになった。輪島市門前町走出(わじましもんぜんまちはしりで)推定6強→観測7(計測震度6.5)、能登町松波(のとちょうまつなみ)推定6強→観測6強(計測震度6.2)、能登町柳田(のとちょうやなぎだ)推定6弱→観測6弱(計測震度5.8)

◆ボランティア

・1月27日、県に登録した災害ボランティアの被災地での活動がはじまった。七尾市・志賀町・穴水町で災害ゴミの片付けなどを行った。

◆事件

・1月5日、七尾市内の温泉宿泊施設で客の荷物が盗まれる被害が発生したことが報道などで明らかになった。

・1月5日、石川県警は、輪島市内の被災住宅に侵入してみかんを盗んだとして、愛知県刈谷市の20代の男子大学生を住居侵入と窃盗の疑いで現行犯逮捕した。その後、大麻取締法違反の疑いで再逮捕された。

・1月17日、石川県警は、石川県珠洲市で住宅から模造刀などを盗んだとして、自称大阪市の37歳の男を逮捕した。

・1月20日、石川県警は、1日から3日、輪島市内の駐車中の車内で女性の身体を触ったとして、金沢市の19歳の男を不同意わいせつの疑いで逮捕した。

◆詐欺

・1月5日、PayPayは、被災者を装いSNSで金銭を受け取ろうとする事案が確認されたとして注意を呼びかけている。支援にあたっては氏名・携帯番号・固定電話番号・住所などで相手を十分に確認するなど、被災者に確実に渡すことができる手段を利用するよう呼びかけている。

◆火災・事故

・1月10日午後11時ごろ、石川県能登町で取材中の民放テレビ局のスタッフが乗ったタクシーが単独事故を起こした。

・1月18日夕方、石川県珠洲市宝立町で住宅敷地内の納屋が全焼する火災が発生した。焼け跡から住民と見られる遺体が見つかった。住民は地震で住宅が損壊し、納屋で避難生活をしていたという。

◆物議

・1日夜、避難所となった石川県立穴水高校で、複数の男女が飲料水を確保するために自動販売機を壊していたことが明らかになった。

気象庁|令和6年能登半島地震の関連情報

内閣府防災情報|令和6年能登半島地震による被害状況等について

石川県|令和6年(2024年)能登半島地震に関する情報 - 石川県

※情報は発信時点のもので、最新の状況と異なる場合があります。

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