回転窓/ご当地力士の活躍

先月28日に千秋楽を迎えた大相撲初場所は横綱照ノ富士が4場所ぶり9回目の優勝を果たした。2敗で並んだ関脇琴ノ若との優勝決定戦。出足鋭く出て寄り切りで制する気迫の取り組みには大いに魅了された▼今場所はざんばら髪の新入幕力士が土俵を沸かせた。西前頭15枚目の大の里は192センチ、183キロの恵まれた体を生かした立ち合いの圧力を武器に、9日目を終えて8勝と快進撃を続けた▼10日目からは関脇、大関、横綱と新入幕力士では異例の役力士との3連戦。結果は3連敗と振るわなかったが、次の場所に生きる貴重な経験に。千秋楽を白星で飾り11勝4敗となり、初の三賞となる敢闘賞を受賞した▼大の里は能登半島地震で甚大な被害を受けた石川県出身。ご当地力士の活躍は被災地をどれだけ元気づけたことだろう。「地元にいい報告ができる。次もしっかり勝ち越しを目指したい」とのコメントも頼もしい▼きょう1日で地震発生から1カ月。被災地ではインフラの応急復旧が進められ、災害ボランティアも活動できるようになってきた。本復旧・復興には時間がかかるが、日々の一歩一歩を大切にしたい。

© 日刊建設工業新聞社