「能力が結果に表れている」試合を決めた上田綺世について語る森保一監督、改善された選手間の距離は「メリハリが効いていた」

ベスト8に進出した森保一監督[写真:Getty Images]

日本代表の森保一監督が、バーレーン代表戦を振り返った。
【動画】毎熊晟矢の弾丸ミドルを堂安律が押し込んで先制!

31日、アジアカップ2023・ラウンド16のバーレーン代表vs日本代表がアル・トゥマーマ・スタジアムで行われ、1-3で日本が勝利。ベスト8進出を決めた。

グループEを首位で通過したバーレーンと、グループDを2位通過となった日本との対戦。試合は毎熊晟矢のミドルシュートの跳ね返りを堂安律が決めて先制すると、後半早々には良い守備から久保建英が追加点を奪う。

しかし、セットプレーからオウンゴールで失点し嫌なムードに。それでも上田綺世が毎熊のパスを受けて3人を振り切ると、GKの股間を抜く豪快ゴール。1-3で勝利を収め、準々決勝に進出した。

試合後、メディアの囲み取材に応じた森保監督は、まずは勝利を喜んだ。

「選手たちが良い準備をしてくれて、中東勢との戦いは前回のイラクとの戦いでの入りのところで相手に勢いに乗らせてしまいました。今日はキックオフが上手くいかなかったですけど、アグレッシブに気持ちを全面的に出してくれて、入りよくプレーしてくれたことは良かったです」

良い戦いを見せた日本。特に選手の距離感が非常に改善されていたが「メリハリが効いているかなと思っていました」と森保監督もコメント。「選手たちのやる気はこれまで100%で素晴らしいものを出してくれていたと思います」と語る一方で、「ただ、アグレッシブに行こうという気持ちが間延びにつながっていたりもしました。相手も間延びした所を狙ってくるというのもあったので、お互いの距離感をよくして、コンパクトに戦うというのは選手たちも気を付けて戦ってくれたと思います」と、しっかりとこれまでの戦いからの反省を活かせたと語った。

終盤には3バックもチャレンジしたが「本番ではやっていなかったですが、こちらに来てからは2度ほど3バックは自然と形の中で入れて、この6日間の準備の中で少し入れて、試合で使わせてもらいました」と準備してきたものだとし、「これまでも選手たちは全員ではないにしてもやってきていますし、今日も試合の状況に合わせて相手が9番(アブドゥラ・ユスフ・ヘラル)、14番(アブドゥル・アル・ハシャシュ)と前線に圧力をかけてくる中で、チームとしてやる意図を理解してやってくれました」と語り、選手たちがしっかりと狙いに応えてくれたと振り返った。

この試合では大会で初めて三笘薫(ブライトン&ホーヴ・アルビオン)がピッチに立った。30分程度の出場となった三笘は、持ち味であるドリブルでチャンスメイクをしていた。

三笘ついて「おおよそ想定していたプレー時間でした。後半の半分ぐらいからプレーしてもらい、アディショナルタイムも含めて30分から40分ぐらいのプレーだと思っていました」と、予定通りだったと語る森保監督。「延長になるとまたわからないということで、三笘を代える可能性も含めて、交代枠が1枚増えるので、プレーできる時はしてもらう、そうでなければ交代するということを考えていました」とプランについて明かした。

また、試合を決定づける3点目を決めた上田については「元々彼が持っている能力が結果に表れていると思います」とコメント。「今季フェイエノールトに移籍して思ったような結果は出せていないと思いますが、日本代表の中でこのアジアカップで日本のために、日本代表の勝利のためにハードワークして自分の特徴であるゴールを決めることでサポーターであったり、ここに来た時に皆さんにもお話しした能登半島地震等々で苦しんでいる方へ励ましのエールを送ろうということで、考えてプレーしてくれていると思います」と語り、4ゴールを決めているエースを称えた。

「残りの試合は1戦1戦戦っていくことで、しっかり良い準備をして全力で戦っていきたいと思いますが、彼には得点を重ねていってもらいたいと思います」と期待を口にした森保監督。「チームで良い戦いができるように良い準備をしていきたいと思います」と、準々決勝へ気を引き締めた。

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