茨城・つくばの洞峰公園、県から市に移管 住民主体の運営へ

洞峰公園移管までの経緯

茨城県つくば市二の宮の洞峰公園は1日、県から市に移管された。無償譲渡を受けた市は月内にも、市民や有識者による運営協議会を設置し、住民らが主体となって主な運営方針を決める。具体的には景観保全や施設の適正な利用料金などについて話し合う。

協議会は、市のアンケート結果や維持管理費の試算などを基に、公園の将来像や主な運営方針について意見を交わす。住民らが設置を求めていた。今後20人前後で構成し、3月にも初会合の開催を目指す。

洞峰公園は1980年に開園。約20ヘクタールの敷地内にウオーキング・ジョギングコースや体育館、テニスコート、室内プールなどの施設を備える。

市の試算では、年間維持管理費は約3億7900万円。各施設の修繕費は目標使用年数を80年として、年間約3500万円とみている。一方、一部の市議からは、試算根拠の使用年数などから「費用はもっとかかるのでは」と懐疑的な声も出ている。

市が2023年11月に市民を対象に行ったアンケートによると、施設の利用料金値上げに約67%が「賛成」と回答。協議会は施設整備の必要性とともに値上げの有無について検討する。

公園を日頃利用する市内の主婦(52)は「景観を守りつつ、人が集まる場になってほしい」と話す。近くに住む会社員、木下潔さん(63)は「自然に興味を持ってもらう教育の場になればうれしい」と期待を寄せる。

洞峰公園を巡っては、県は維持管理費の捻出や魅力向上のため、民間の資金やノウハウを生かす「パークPFI」を導入し、グランピング施設などの整備を決めた。これに対し、つくば市が計画内容を疑問視。市民からも計画見直しを求める署名が提出されたことなどから、県が移管を提案。市が受け入れを決め、1月に契約した。

洞峰公園(資料写真)=つくば市二の宮

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