長崎・上五島 第2回川崎雄哉カップで154人がトレイルランニング 海産物も堪能

有川湾を背に山道を登るランナー=新上五島町、城山山頂

 新上五島町の山を走るトレイルランニングレース、第2回川崎雄哉カップ・上五島トレイルが1月28日、新魚目地区であった。県内外から154人が参加。急峻(きゅうしゅん)な地形や美しい海、島々のパノラマ景観を楽しみ、前夜祭では新鮮なすしなど海産物を堪能した。
 交流人口の拡大を図ろうと、同町アイランドワーケーション実行委が主催、町共催。コースは約18キロ。日本を代表するトレイルランナー、川崎雄哉さん(39)=同町出身、静岡県=が監修した。上中級者はスピードを楽しめ、初心者には挑戦しやすい距離。
 新魚目総合体育館前を発着点に午前8時スタート。薄曇りで気温は6度(大会本部)。海岸沿いを北上して似首(にたくび)峠周辺から番岳(367メートル)に駆け上がる。南下して浅子山(203メートル)、城山(214メートル)まで縦走すると、眼下に有川湾が広がる最高のビューポイント。補給所では五島うどん、かんころもち、チーズケーキなどを頰張り、絶景を堪能する姿が見られた。再び番岳を越え、海沿いの道を走りフィニッシュへ。
 宮崎県の会社員、鬼塚智徳さん(43)が1時間39分21秒で2連覇を果たした。
 ゲストランナーの立石祐子さん(37)=埼玉県=は父が同町七目郷出身。2023年の東京タワー階段競走で優勝し、「Tower Running」世界シリーズ戦世界ランキング現在3位を誇る。「番岳は父に助けてもらいながら登ったことがあり、感慨深い。エイドのチーズケーキは初めての味わい。買って帰るつもり」と笑顔で話した。
 前夜祭は有川総合文化センターであり、石田信明町長が「アットファミリーな雰囲気を楽しんでほしい」と歓迎。ステージで地元産のマグロやヒラメ、ミズイカ、ブリをネタにしたにぎりずしショーが始まり、ふんだんに振る舞われた。
 天然ヒラメなどを用意した同町若松郷、松園水産の深浦満也専務は「2千貫以上のにぎりずしを出している」。鬼塚さんは「レースはもちろん、この前夜祭が楽しくて」と話した。
 アニメ「ルパン三世」の仮装で登場し会場を沸かせた川崎さんは「皆さんの熱気を感じた。参加者が上五島の魅力を発信して、多くの人に伝わっていくと思う。新年会を開く感じで、大会を続けていければいい」と語った。

ステージでにぎりずしショーが始まり、にぎわう前夜祭=新上五島町、有川総合文化センター

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