北陸新幹線、3月に延伸開業「金沢-敦賀」間で試乗会 JR西「能登復興への原動力に」

JR敦賀駅の新幹線ホームに入線する試乗会用車両「W7系」=1日午前、福井県敦賀市

 JR西日本は1日、3月16日に延伸開業する北陸新幹線金沢-敦賀(福井県敦賀市)間で、報道向けの試乗会を開いた。開業後は東京-敦賀を最短3時間8分で結び、直通する「かがやき」「はくたか」が1日計14往復する。1月の能登半島地震では新幹線の設備に大きな被害はなく、試乗会では「W7系」車両が午前10時13分に敦賀駅を出発、約125キロ離れた金沢駅に向かった。在来線特急との乗り継ぎ駅となる敦賀駅の構内も公開された。

 開業後は大阪発の特急「サンダーバード」と名古屋・米原発の特急「しらさぎ」が敦賀駅止まりとなる。金沢方面に向かうには同駅で新幹線「つるぎ」(敦賀-富山)に乗り換える必要があるが、大阪-金沢間の所要時間は最短2時間9分となり、現在より22分短縮される。

 途中、石川県内は小松、加賀温泉、福井県内は芦原温泉、福井、越前たけふの計5駅が設置される。

 試乗会では、高さ約37メートルと整備新幹線の駅としては最大規模を誇る敦賀駅の連絡通路や新駅舎も公開された。1階の在来線ホームから3階の新幹線ホームへの乗り継ぎをスムーズにするために整備したエスカレーター26基と、19通路の改札機が目を引いた。

 JR西は3、4日に一般向けの試乗会も開く。2千人の募集に対し、約15万人から応募があり、約75倍の高倍率となった。3月には、能登半島地震の復興に向けた観光支援「北陸応援割」が始まる予定で、同社は今回の延伸を「復旧・復興の原動力に」(長谷川一明社長)と期待を込める。(大島光貴)

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