東大和市 女性の再就職支援 職員の採用条件緩和 募集年齢を15歳引き上げ

東大和市は、女性の再就職を支援するため、市職員の採用の条件を緩和しました。バイトやパートも職務経験に含めるとともに、募集年齢を15歳引き上げました。

記者:「東大和市役所内に「公務員試験対策必要なし 女性の再就職を応援」と書かれたポスターが張り出されています」

東大和市では「女性の再就職応援宣言」を打ち出し、経験者枠採用の条件を緩和しました。出産や子育てなどを機に仕事を辞め、再就職を希望している女性の再就職を支援するのが狙いです。市職員の経験者採用の条件は、職務経験が3年以上ある人で、パートやアルバイトの経験でも可能となっていて、年齢の上限はこれまでの概ね30歳から45歳に引き上げられます。また、これまで行ってきた教養試験を廃止し、論文と適性検査、面接といった人物重視の内容に変更しました。

和地市長:「今までのご経験や社会で積み重ねてきたものを市政に生かしていただけるよう、今回は年齢の引き上げ、試験の廃止、そうした形で様々な幅広い優秀な人材の人と出会って活躍していただけるように、この制度を取り入れました」

経験者枠で採用された職員に話を聞くと、「育児経験が業務にも活用されている」ということです。

健康推進課 幸村課長:「結婚して育児をされた方は、育児の経験とかそういうところを通して、人として得るものも大きかったり、成長する部分がたくさんあると思うので、逆にそういった方を年齢が引きあがることで、採用できるのは市にとってメリットだと思う」

募集年齢の引き下げに、東大和市に住む人は…

「もったいないですよね。せっかくスキルがあるのに、年齢でだめですと言われるのは。年齢制限がなくなったことによって、お母さんになったあとでも働ける」
「年齢が違うと多様な考え方があるかと思うので、そういうところがあると市の運営とかに生かせるのかなと思ったりしています」

経験者採用の申し込みは2月末までで、7月から採用される予定です。

年齢がすすむにつれて再就職や転職がしにくくなることを、いわゆる「年齢の壁」と言われています。ただ、最近は東大和市のように、中途採用の年齢の上限が引き上げられている現状があるようです。大手人材広告企業マイナビの主任研究員 関根さんに伺いました。

まず、近年では「年齢の壁」は低くなってきているということです。というのも「転職者が増え、転職自体が一般的になってきたこと」が背景にあり、「年齢だけで採用の合否が決められにくくなってきた」というのが最近の傾向だということです。また、少子高齢化による労働人口の減少や、定年が70歳にまで引き上げられたことで、採用する年齢の幅が広がっていると話していました。

今後、何が大事になってくるのかということで、関根さんがポイントとして挙げているのが、「新しいことを学びスキルを身に着ける」リスキリングです。「働く中で役立つスキルや知識の学びを、年齢を重ねても前向きに取り組めるかが大事」としています。一方で、企業側としては従業員の成長を積極的に進められるかが、離職の防止に大きく関わってくるということです。

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