ミャンマーで「沈黙のスト」 政変から3年、軍政に抗議

1日、人通りと交通量の少ないミャンマー・ヤンゴンの中心部(共同)

 【ヤンゴン共同】ミャンマー国軍がアウンサンスーチー氏の民主政府を倒したクーデターから、1日で3年が経過した。民主派は同日、軍事政権に抗議して外出や社会活動を控える「沈黙のスト」を呼びかけ、全土で多数の市民が呼応した。ただ最大都市ヤンゴンなどでは軍政の目を恐れてか、普段通りの生活を送る市民の姿もみられた。

 1日、ヤンゴン中心部。大通りを行き交う人と車の数は普段より少ないが、路地の市場は多数の買い物客でにぎわっていた。昨年の「沈黙のスト」の際には見られなかった光景だ。

 市民の多くは、昨年10月の少数民族武装勢力の一斉蜂起を機に軍政が弱体化したと感じ、希望を抱いている。その一方で軍政統治は長期化しており、もはや民主派だけを支持することはできないという声もある。

 反軍政デモに参加して逮捕された経験のある男子高校生(17)は「路上での抗議行動は今は無理。私にとって抗議の声を伝える唯一の手段は、沈黙のストだ」と話した。

ミャンマー民主派による「沈黙のスト」の呼びかけを受け、人と車の姿が少ないヤンゴンの大通り=1日(共同)

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