能登半島地震 避難所支援の都職員「衛生面が課題だった」

能登半島地震から2月1日で1カ月です。現地では復旧に向けた取り組みが進められていて、避難所の運営にあたった東京都の職員は「トイレなど衛生面が課題だった」と語りました。

能登半島地震から1カ月…東京都はこれまでに職員や医師など293人を被災地に派遣するとともに、ブルーシートなどの物資を支援しています。

東京都職員の青野さんは、普段は人事に関する業務に携わっていますが、1月10日から17日にかけて、輪島市で食事の提供や夜間の見回りなどといった避難所の運営にあたりました。青野さんは被災地での断水を受け、トイレなどの「衛生設備の重要性」を実感したと語ります。

青野さん:「(断水で)水洗トイレがないので、(仮設トイレの)清掃といったものも我々都の職員の方で対応させて頂いた。不衛生な中で業務を行わなければいけなかった」

さらに、衛生環境が不十分な中での避難の長期化で、避難所では新型コロナやインフルエンザといった感染症の増加に直面しました。

青野さん:「最初は隔離場所のスペースが少ないということで、コロナもインフルエンザ感染者も分からない状況だった。(感染者の)隔離をされない状況での支援活動だったので、帰ってからも支援中も体調不良が多かった」

現在は、避難所の拡充や緊急トイレやマスクなどの物資が届いたことから、避難所の衛生面が改善されたそうです。東京都のこうした支援活動での経験は、災害時を想定して作られるマニュアルにも反映され、「都民の安全につながる」と話しています。

青野さん:「(マニュアルを)日々職員の方がブラッシュアップして、今我々が入った時とは想像付かない以上にいいものが出来上がってると思います。そういったものを後世に残していくことが、価値ある経験なのかなという風に思います」

災害時の対応については、東京都でも新たな取り組みが示されています。

東京都は災害時の連絡手段を確保・強化するため、新年度予算案に衛星通信機器の配備として4億円を計上しました。能登半島地震では一部地域で通信障害が発生し、連絡がつかないという事例がありました。都はそうした課題の解消に向け、島しょ部を含む全区市町村に対して、衛生通信機器を配備します。

また、東京の特性でもある在宅避難者など避難所以外での避難生活を送る人たちへの対応として、携帯トイレの新たな備蓄に4億円を盛り込むことが発表されています。

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