「ペルソナ3 リロード」ミニライブレポート――高橋あず美さんとLotus Juiceさんが青春の儚さと大切さを描く新楽曲を力強く歌い上げる

アトラスは、2024年2月2日に「ペルソナ3 リロード」を発売することを記念し、東京・丸の内のCOTTON CLUBにてスペシャルミニライブイベントを1月31日に開催した。

きらびやかで豪華な雰囲気がある会場のCOTTON CLUBだが、普段はジャズなどの音楽を聴きながら食事を楽しめるレストランで、音響の設備も抜群。イベント自体は配信で見ることも出来たが、会場に来ることが出来たファンは圧倒的な生の歌声や演奏に感動したのではないだろうか。

イベントは、先日改名を発表した松澤ネキさんを司会に、ラッパーのLotus Juiceさんも進行を務めるような形に。素晴らしいラップを披露してくれたLotus Juiceさんだが、リメイク前の「ペルソナ3」から作品に関わっているだけあり、作品への理解度は完璧。アトラス作品ファンの松澤さんとともに小ネタを交えた軽快なトークを繰り広げ、ファンを楽しませた。

イベントは「ペルソナ3 リロード」のオープニング曲である“Full Moon Full Life”から。新しくボーカルを務める高橋あず美さんと、ファンにはおなじみのラッパー・Lotus Juiceさんが疾走感あふれる曲を披露した。

曲自体は公開されていたものの、高橋あず美さんが生歌で披露するのは今回がはじめて。その圧倒的な歌声で一気にファンを世界観に引き込ませた。Lotus Juiceさんのパフォーマンスも素晴らしく、高橋あず美さんの歌との相性も抜群だった。

続いて、主人公たちが生活する学生寮で流れる曲“巌戸台分寮 -Reload-”をLotus Juiceさんがラップを追加してリファイン。その後は高橋あず美さんがふたたび登壇し、新戦闘曲の“It's Going Down Now”をふたりで披露した。

ミニライブということで前半はこの3曲のみだったが、十分すぎるほどに会場のファンを魅了。発売が迫る「ペルソナ3 リロード」がますます楽しみになったファンも多いだろう。

「ペルソナ3」は死をテーマに描く作品であり、だからこそ青春の儚さや大切さが浮き彫りになる作品だ。そんなかけがえのない煌びやかな青春をボーカルという形で彩り、作り上げる本作の斬新さを改めて思い出させてくれる。

今でこそゲーム内のBGMにボーカルが付くことは珍しくなくなったが、当時はとても斬新だったし、本作においては“オシャレ”という言葉で済ますことはできないぐらいに作品を形成している大事なピースのひとつだ。本作の命の脈動や青春の輝きを表現するのにボーカルの持つ力は必要不可欠だ。

今回、高橋あず美さんとLotus Juiceさんの圧倒的パフォーマンスを生で観て、そして聴いたことで、「ペルソナ3」から「ペルソナ3 リロード」への進化と期待がさらに高まった。

前半のライブが終わった後は、ゲーム内の通販番組“時価ネットたなか”のコーナー。社長役の声優・島田敏さんによるナレーションで多彩なコラボ展開が発表された。「ペルソナ」広報公式Xで情報が公開されているので、詳しくはそちらをチェックしてもらいたいが、スタンプラリーやコラボカフェの開催から、アパレルグッズの発売まで多種多様なコラボが公開された。

あまりの情報の多さに“時価ネットたなか”の社長もヒーヒー言っている姿がおもしろいので、ぜひ配信のほうでも見返してみてほしい。ファンのコメントを代表してくれるような松澤さんとLotus Juiceさんのリアクションも必見だ。

後半はピアニストの半田彬倫さんが登壇し、ピアノのメドレー“PERSONA3 RELOAD Special Piano Medley”を披露。“The Voice Someone Calls”、“全ての人の魂の詩”、“tartarus_0d02”、“Want To Be Close -Reload-”、“Changing Seasons -Reload-”をメドレーで弾いた。なかなかゲームの曲をピアノのメロディだけで聴くことは少なく、今回のピアノアレンジは新鮮だった。

続いて、高橋あず美さんも登壇し、下校時などで街を散策するときに流れるBGM“When The Moon's Reaching Out Stars -Reload-”へ。オリジナル版にも存在していた曲だが、本作では歌詞が追加されるなどのリファインが施されているそうだ。また、半田彬倫さんと高橋あず美さんは以前からコンサートなどで一緒になることも多いそうで、息の合った姿を見せた。

ここからさらにLotus Juiceさんも加わり、「ペルソナ3 リロード」で追加された夜の街中で流れるBGM“Color Your Night”を披露。シンガーの生歌とピアノの生演奏で、ファンのもとへ贅沢に届けられた。

その後はアトラスのサウンドクリエイターである喜多條敦志さんが登壇。本作については3年前からレコーディングを行っており、ついに完成したことを感慨深く振り返った。

また、新曲を手がけるとともに、インディーズゲームクリエイターを志してアトラスを退職した目黒将司さんが作った数々の曲を大事にアレンジしたことを明かす。喜多條さんの曲に対してLotus Juiceさんは「新曲にさりげなく他の曲のメロディを混ぜていたりしている」と、その繊細で素晴らしい仕事ぶりを絶賛した。

ライブも終盤に差し掛かり、“PERSONA LIVE TOUR 2024 -more ahead-”の開催が発表。大阪と横浜のほか、初の海外公演となる台湾公演も行われることが明かされ、ファンを大いに沸かせた。その勢いのまま、今回のライブの最後となる曲“Deep Breath Deep Breath -Reincarnation Reload-”へ。今回のためにアレンジされたペルソナライブでおなじみの楽曲で盛り上がった。

最後は出演者全員のクロージングトークで、プロデューサーの和田和久さんとディレクターの山口拓也さんも登壇。特に印象的だったのは和田さんで、オリジナル版の「ペルソナ3」を作っていたときは会社の業績が悪く、退職相談者が続出していたこと、それでも自分たちが手がけている「ペルソナ3」が最高になることを確信して、説得していた過去を包み隠さず伝えてくれた。

こうして「ペルソナ3」が世間に受け入れられ、シリーズとしても大きな転換点になり、今回「ペルソナ3 リロード」を発売できることを感慨深く感じている和田さんだったが、それは長年「ペルソナ」シリーズやアトラスを応援してきたファンも同じだろう。「ペルソナ3 リロード」の発売を機会に、より多くの人がこの素晴らしい作品に出会ってくれることを筆者も願っている。

なお、イベント終了後には松澤ネキさんの誕生日を祝うサプライズも。松澤さんがケーキのろうそくを「ブフ」と言いながら消すお茶目な姿も見せ、会場はハッピーな雰囲気に包まれたまま、幕を閉じた。

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