LGBTQのパートナー制度、大阪が転居手続きを簡素化へ

性的マイノリティ―の当事者がお互いを人生のパートナーと宣誓したことを、自治体が公に証明するパートナーシップ制度。4月1日から大阪府、京都府、兵庫県の31自治体間で連携されることが、1月31日の府の定例会見で発表され、引っ越しで転居しても手続きを簡素化できるようになるという。

定例会見のフリップより「大阪府パートナーシップ宣誓証明制度」連携開始について(1月31日・大阪府庁)

レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー、クエスチョニングといった「LGBTQ」の人たちが生活しやすいよう、全国の一部の自治体で取り組まれている同制度。公営住宅の入居申し込みや公立病院での手術同意、携帯電話の家族割りなどの証明で使うことができる。

証明を受けるには独身証明書、戸籍謄本などの書類手続きが必須。しかし、引っ越しなどで転出する場合、転入先では新たに証明書を申請しければならないのが現状だ。

大阪府では2022年9月から同様の制度を取り入れている府内の自治体と連携し、手続きを簡素化。今回は京都府の8市と兵庫県の11市町とも連携され、前の自治体で証明を受けていたと申告すれば、転出する自治体の証明書の返還手続きや独身証明書などの書類提出が不要になる。

吉村洋文知事は、「事務手続きを簡素化して相互乗り入れすることで、宣誓者の負担を減らしたい。さらに、近くだと和歌山県でもパートナ宣誓制度が議論されており、近隣府県と輪を広げていきたい」と話した。

取材・文・写真/岡田由佳子

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