「実際満足したので」「迷ったが500円じゃ安いかな」 支払い額を決めるのはあなた!百貨店内の水族館 赤字覚悟の「ポストプライシング」

静岡駅前の百貨店内にある水族館で、2月1日から赤字覚悟とも言える斬新な取り組みが始まりました。まるで投げ銭感覚です。

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静岡市葵区の「松坂屋静岡店」に、2022年オープンした「スマートアクアリウム静岡」。街なかのデパートにある水族館で、ユニークな企画が始まりました。

<滝澤悠希キャスター>
「この水族館ではきょうから、客が館内を回った後に自分で支払う料金を決めるシステムを導入しました」

来場者自身が満足度に応じて支払い額を決めるシステム「ポストプライシング」。この水族館では、3月末までの平日限定でこのシステムを導入し、価格は、0円から設定できます。これまでの大人料金は1,400円でしたが、みなさん、いくら支払ったのでしょうか。

<来場客>
「1,000円。テレビで見て、この内容で1,400円だと高いと思った」

<1,400円支払った来場客>
「もうちょっと少ない金額で支払おうかなと思っていたが、実際満足したので、継続してもらいたい意味でも(この価格にした)」

<700円を払った来場客>
「迷ったが、500円じゃ安いかなと。デパートに水族館は『え?』と思ったが、いい機会になった」

“赤字覚悟”とも言えるこの仕組みをなぜ導入したのか、背景には、“街中の水族館”としての「知名度向上」の狙いがあります。

<スマートアクアリウム静岡 真野光晃館長>
「(いまは)閑散期なので、少しでも話題提供をしてお客さんが増えれば、今後に結びつくのかなと思っています」

「ポストプライシング」で成果を上げた事例もあります。皇后杯を制した女子サッカーWEリーグの「INAC神戸レオネッサ」は、2023年9月のカップ戦で、試合後に来場者が料金を決める企画を実施。WEリーグは試合によっては、来場者が1,000人にも満たないこともあり、集客が課題でした。

<INAC神戸レオネッサ 安本卓史社長>
「WEリーグ開幕戦が一番多く入場料収入があったけど、(このシステムを実施した試合は)それに並ぶぐらいの入場料が入った。ファミリー層の来場は、それ以降ずっと伸びている」

辰年の2024年。静岡の水族館にとっても、この取り組みが龍が昇るごとく、来場客増加の起爆剤となるのでしょうか。

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