シェアオフィスのWeWork Japan合同会社が[東京]が民事再生

WeWork Japan合同会社(港区)は2月1日、東京地裁に民事再生法の適用を申請し同日、民事再生開始決定を受けた。
申請代理人は片山英二弁護士(阿部・井窪・片山法律事務所、中央区八重洲2-8-7)。
監督委員には須藤英章弁護士(東京富士法律事務所、千代田区麹町3-3)が選任された。
負債は現在調査中。

WeWork事業は物件オーナーからスペースを賃借してリデザインし、会員へ貸し出すビジネスモデルで急成長した。「シェアリングエコノミー」の業態として注目を集め、ソフトバンクグループからの出資を得て、米国を中心に世界39ヶ国150都市以上、800拠点以上(2023年1月現在)に展開してきた。
日本においては、米国WeWork社とソフトバンクグループの合弁によって設立された当社により出店を進めてきた。東京(31拠点)を中心に大阪、福岡、名古屋など主要都市に約40拠点を出店、2022年12月期は売上高260億6620万円をあげた。

しかし、2019年以降、米国WeWork社は巨額の赤字を散発して成長路線に歯止めがかかったうえ、「新型コロナウイルス」感染拡大でシェアオフィスの利用が低迷したことで業績がさらに悪化していた。

こうしたなか、2023年11月6日(現地時間)に、米国WeWork社が自力再建を断念して、連邦破産法第11条(チャプター11、民事再生法に相当)の適用を申請した。負債総額は約190億ドル(約2兆8500億円)にのぼる大型倒産で、日本法人である当社の動向にも注目が集まった。
これを受け、当社は11月7日(日本時間)に「日本国内の拠点は高い占有率を示しており、今後も変わらず営業を継続する方針」との声明を公表していた。しかし、事業移管を主軸とした民事再生法の申請に踏み切った。

広報資料によると、ソフトバンク(株)(港区)をスポンサーとする基本合意を2月1日付で締結している。ソフトバンクが新設した100%子会社のWWJ(株)へ吸収分割の方法で事業を移管する計画。事業に係る債務は、再生債権となるものも含め、吸収分割前は当社が、吸収分割後はWWJが引き続き支払うことを計画している。
WWJへの事業移管は、監督委員の同意などを条件に2024年4月中の完了を見込んでいる。

※WeWork Japan合同会社(TSR企業コード:017839289、法人番号:2010003023482、東京都港区南青山1-24-3、設立2016(平成28)年4月、資本金550万円)
※ソフトバンク(株)(TSR企業コード:292305397、法人番号:9010401052465、東京都港区)

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