「そろそろ見極めを…」 進展見えぬ鹿児島市の北ふ頭サッカースタジアム構想 市議会特別委で市に対応迫る

鹿児島市がスタジアム整備を目指す北ふ頭。貨物倉庫や旅客ターミナルが立つ=1月8日(本社チャーター機から撮影)

 鹿児島市議会は1日、市が鹿児島港本港区北ふ頭で検討する多機能複合型サッカースタジアムに関する特別委員会を開いた。委員から、「そろそろ見極める時期に来ている」などと、市に対して北ふ頭での整備の可否を判断するよう求める声が相次いだ。

 スタジアム整備を巡っては県議会が昨年12月、早期に正式な見解を示すよう塩田康一知事に提言し、「政治決断」を迫っている。塩田知事は施設の具体が見えず市の説明は不十分として、「良いとか悪いとか言える段階ではない」との見解を示している。

 委員からは「市が(北ふ頭を)断念して、新たな候補地で県と協議する判断もある。計画を持ち出した市が主体的に動くべきだ」「市民の財政や暮らしを預かる市が、県の判断待ちでいいのか」などの意見が出た。市は「県の対応を見守る」と、決定権は県側にあるとの姿勢を崩さなかった。

 県の本港区利活用検討委員会は1月、北ふ頭を「新たな集客力で、中心市街地との相乗効果をもたらす」エリアなどとする利活用案をまとめた。市は特別委で、スタジアム整備の可能性は残されたとして、建設に向け関係者と協議を続けると強調。一方、港湾関係者との協議に「目立った進展はない」と説明した。

鹿児島市の鹿児島港本港区北ふ頭での多機能複合型サッカースタジアム整備について話し合う市議会特別委員会=1日、市役所

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