イスラエル軍、ガザ南部ラファに照準 ハマスは戦闘休止案検討

[エルサレム/ドーハ 2日 ロイター] - イスラエルは1日、パレスチナ自治区ガザ南部でエジプトとの境界にあるラファへさらに部隊を進める構えを示した。一方、イスラム組織ハマスはエジプトやカタールなど4カ国が提示した戦闘休止案の検討を続けている。

イスラエルのガラント国防相は、ガザ南部のハンユニスでイスラム組織ハマスの旅団を解体したと発表し、この成功を受けて軍はラファに進むことができると表明。「ハンユニスで任務を達成しつつある。ラファにも到達し、われわれを脅かすテロ分子を排除する」と述べた。

ガザの住民によると、イスラエル軍はハンユニスの病院周辺を激しく攻撃し、ラファ近郊への攻撃を強めた。

こうした中、イスラエルとハマスの仲介役を務めるカタールとエジプトは、先にパリで開いた協議でイスラエル、米国と合意した戦闘休止案に対しハマスから前向きな回答を期待している。

パレスチナ当局者によると、3段階からなる戦闘休止案の第1段階は40日間を想定し、この間戦闘を休止してハマスが拘束を続ける100人超の人質のうち民間人を解放する。その後の段階でイスラエル人兵士の解放や死亡した人質の遺体引き渡しを行う。

こうした長期の戦闘休止が実現すれば、昨年10月の戦闘開始以降で初めてとなる。

パレスチナ当局者によると、ハマスが停戦案を全面的に拒否する公算は小さいものの、戦闘が再開されないという保証を求めると予想される。イスラエルはこれまでのところ戦闘終結には同意していない。

これより先、カタールの報道官が米ジョンズ・ホプキンス大学で行った前向きな内容のスピーチを受けて一時、停戦合意に向けた観測が高まり、原油価格が下落する場面があった。

しかし、ドーハのカタール政府関係者はロイターに対し、まだ合意には達しておらず、ハマス側は提案を「前向き」に受け止めたものの返答はしていないと述べた。

亡命中のハマス政治部門トップ、サミ・アブ・ズーリ氏は、2日前に提案を検討していると発表してから、何ら付け加えることはないとロイターに語った。

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