ニセコが物価も時給も全部高騰!キッチンカーのカレー3000円「ぼったくりと言われるけれど」

外国人観光客が復活し、再びにぎわいを見せるニセコ。

実は今、キッチンカーが急増しているんです。

カツ丼やカレーは3000円と少々高めに感じますが、飛ぶように売れているんだそう。

一体ニセコで何が起きているのでしょうか?

飲食店不足でキッチンカーが急増

今シーズンのニセコで目立つのが、夕暮れとともに営業を始める多くのキッチンカー。

その数は50台以上にもなります。

なぜキッチンカーが乱立しているのでしょうか。

ニセコで働いて14年の事業家、東出翔さんは「ホテルはあるが、レストランの数が足りていない」と話します。

倶知安町のベッド数はコロナ禍でも右肩上がりで、現在1万6000以上に及んでいます。

それに対し、飲食店も増加してはいるものの席数は2500席ほど。

何ヶ月も前から飲食店の予約をしなければ、食事ができないという状況だといいます。

そんななか登場したのがキッチンカーだったのです。

飲食店不足を受け、倶知安観光協会も立ち上がりました。

ゴミ処理やトイレ問題を解決するために設けたのが、「イートストリート in ニセコ」という広場。

こちらにもキッチンカーが10台集まっていました。

割高な値段設定の裏に"やむを得ない事情"

さらに驚きなのがその値段設定です。

お寿司をメインに扱う、札幌の居酒屋が出店しているキッチンカーでは、まぐろの握りが5貫で1500円でした。

札幌から出店の弁当やスイーツを扱うキッチンカーでは、3000円のチキンカレーとカツ丼が人気です。

出店者は「安くしたことがあったが、品質が悪いと思われて売れなくなり、値段を戻した」と話します。

さらにこちらのキッチンカーでは、5000円の「黒毛和牛うな丼」が売り切れになっていました。

「高く感じると思うが、店で食べるより安い」と出店者は話します。

高騰の背景にはやむを得ない事情もあるといいます。

「ニセコに家を借りていて、バイトの時給・出店料も高い」と話すのは、札幌からの出店者。

アルバイトの時給は2000円、土地の所有者に支払う出店料はひと月数十万円にもなるといいます。

「ニセコはぼったくりと言われるが、やっていくにはこの値段しかない」と東出さん。

経営を続けるためには価格を上げるしかないのです。

*みんテレ1月29日OAのものです

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